社会福祉 専門用語備忘録【と】

社会福祉泉温用語と

障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。

私は普段、社会福祉士として障がい者の相談支援業務を担当している相談員なのですが、日々の会議や同業者との間で交わす専門用語について、何となく使っているものの実は詳細までの把握は、ぼんやりだったりするモノも多くあります。お恥ずかしい話なのですが…。

それなので、改めて自分自身への備忘録として社会福祉専門用語を整理してみようと思いました。

また、この【障がい者生活】をお読みいただくうえで、専門用語について詳しくお知りになりたい方々にとっても役立てていただければ幸いでございます。

このページでは、社会福祉専門用語【と】から始まる専門用語について解説して参ります。

ドアクローザー

【意味】

ドアクローザーとは、開いたドアをゆっくり自動的に閉める装置のことで、「ドアチェック」ともいう。

本体はドアに装着し、バネ仕掛けの腕を枠に固定してスプリングと油圧の力でゆっくりドアを閉めることで、指をはさむような事故や騒音を防ぐ。

トインビー,A.

【意味】

トインビー(Toynbee,Arnold(1852 年∼1883 年))は、イギリスの歴史学者。

ロンドンの東部、イースト・エンドで労働者が組織している組合の経営を援助したり、労働者街で経営学を教えたり、セツルメントの先駆的活動を行った

トインビー・ホール

【意味】

トインビー・ホールとは、1884 年、ロンドン郊外のイースト・エンドに建てられたセツルメント(宗教家や社会福祉事業者がスラム街・工業街などに住み込み住⺠の生活を援助する活動)運動に⾝を投じて31 歳の若さで亡くなったA .トインビーを記念し、S.バーネットの指導の基で作られた貧困・⽼人などの社会的弱者の施設。

橈骨・尺骨遠位端骨折(とうこつ・しゃっこつえんいたんこっせつ)

【意味】

橈骨・尺骨遠位端骨折とは、手のひらをついて転んだり、自転⾞やバイクに乗っていて転んだりした時に、前腕の2 本の骨の内の橈骨(とうこつ)が手首の所(遠位端)で折れる骨折である。

特に閉経後の中年以降の女性では骨粗鬆症で骨が脆くなっているので、簡単に折れる。

若い人でも高い所から転落して手をついた時や、交通事故等で強い外力が加わると起きる。

子供では橈骨の手首側の成⻑軟骨板の所で骨折が起きる。

いずれの場合も、前腕のもう一本の骨である尺骨の先端やその手前の部分が同時に折れる場合もある。

統合教育

【意味】

統合教育とは、心⾝に障害のある児童・生徒と、障害のない子供を一緒に教育すること。

インテグレーション、メインストリーミングともいう。

障害のある子どもを障害のない子どもと通常学校や通常学級において教育することをいうが、様々な形がある。

逆の概念に分離教育がある。

統合失調症

【意味】

統合失調症とは、およそ100人に1人弱がかかる頻度の高い病気で、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患である。

人々と交流しながら、家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい。

「普通の話も通じなくなる」「不治の病」という誤ったイメージがあるが、こころの働きの多くの部分は保たれているので、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期的な回復を期待できる。

以前は「精神分裂病」が正式の病名であったが、「統合失調症」へと名称変更された。

統合保育

【意味】

統合保育とは、心⾝に障害のある子どもと、障害のない子どもを一緒に保育すること。

インテグレーション、メインストリーミングともいう。

糖尿病

【意味】

糖尿病とは、膵臓のインシュリン分泌障害等の代謝異常で、尿中に糖が異常排出される病気である。

(1)インシュリンがほとんど分泌されない1型

(2)インシュリンの分泌が次第に低下、又は働きが悪くなる2型

(3)肝硬変、慢性膵炎等を誘因として起こる2 次性のものがある

中高年における糖尿病はほとんどが1型で、55 歳前後が発症のピークとなる。

動脈硬化、高血圧、白内障等を併発しやすい為注意が必要である。

糖尿病網膜症

【意味】

糖尿病網膜症とは、糖尿病の3大合併症の1つである。

眼のフィルムの役目をしているのが網膜で、この網膜を通る血管が、高血糖の為ボロボロになり一部がこぶのようになったり、出血を起こすのが網膜症である。

初期は無症状で、糖尿病を発症して7年10 年経った頃から始まる。

まだこの頃なら血糖コントロールのみで治るが、放置すると増殖性網膜症に進行する。

こうなると眼底には大きな白斑が現れ、物が霞んで見え、しまいには大出血を起こしたり、網膜剥離を起こしたりする恐い病気である。

同名半盲

【意味】

同名半盲とは、両方の目は見えているのに、麻痺のある側の視野が狭くなっている状態をいう。

脳卒中等で脳が障害を受けた場合、その障害を受けた部分のすぐそばに通っている視神経も一緒に障害を受けてしまう為に起こる。

人は右の景色を左脳で、逆に左の景色は右脳で見てそれぞれを統合してひとつの景色として認識しますが、視神経が障害を受ける事で、目では見ているけれどそれが脳には届いていない事になるわけである。

このような状態にある人への対応は、以下の3点に注意する。

①食事や物は視野のある側に置く

②視野のある側から声をかける

③視野のない側からの急な動きは避ける

ドーパミン

【意味】

ドーパミンとは、交感神経節後線維や副腎髄質に含まれるホルモンの分泌に伴い、生体内で生成されるアミン類の一種です。

様々な行動の動機を学習する役割をつかさどる。例えば「なぜ食後に⻭をみがくのか」について学習し、神経系に伝達します。

このドーパミンの分泌が少ないとパーキンソン病の原因となり、過剰に分泌されると幻覚やパラノイア(精神分裂病の陽性症状)を引き起こす。

特殊寝台

【意味】

特殊寝台とは、マットレスを乗せる床板が背、腰、脚の三部分又はそれ以上に分かれて動き、水平に寝る為だけではなく背もたれを起こして寄り掛かる等、利用者の必要に合わせて姿勢を変える事が出来るベッドの事である。

特定機能病院

【意味】

特定機能病院とは、高度の医療の提供、開発および評価、ならびに研修を実施する能力を有することとし、他の病院または診療所から紹介された患者に対し、医療を提供する病院のこと。

病床数は400床以上を有することが必要である。

設備として、集中治療室、無菌病室、医療品情報管理室、が必要で、厚生労働大臣の承認を得て設立できる。

特定目的公営住宅

【意味】

特定目的公営住宅とは、用途(入居者)を特定した公営住宅の事で、地方公共団体の判断により、住宅に困窮している者を優先的に入居させる。

高齢者世帯向け公営住宅、⾝体障害者向け公営住宅、⺟子世帯向け公営住宅等がある。

特定施設入居者生活介護

【意味】

特定施設入居者生活介護とは、自宅での生活が困難な要介護者が、有料⽼人ホーム(住宅型・介護付)、軽費⽼人ホーム(ケアハウス)等の施設に入居して、入浴、食事、排泄等の介護、機能訓練、看護等の支援を受けるサービス。

居室は原則として個室で、施設内には機能訓練室が設けらる。

入居を希望する場合は、各施設に直接申し込む。

特定疾患(指定難病)

【意味】

特定疾患とは、原因不明で、治療方法がまだ確立していない疾患の総称である。

病変が完全に回復する事が少なく、再発を繰り返し、後遺症を残る事が少なくない。

慢性の疾患で単に経済的な問題だけでなく、介護に多くの人手を要する為に家族の負担が重く、精神的にも負担の大きい疾患である。

1972 (昭和47)年度以降、厚生省(現・厚生労働省)が「特定疾患調査制究班」の各班で対象疾患の研究を進めている。

2006(平成18)年10月現在でベーチェット病をはじめ、多発性硬化症や重症筋力症、全⾝性エリテマトーデス、パーキンソン病関連疾患等45の疾患がある。

2014(平成26)年に、難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)が成立し、特定疾患から指定難病に移行している。

2018(平成30)年現在、131疾患、約150万人。

特定疾病(介護保険)

【意味】

特定疾病とは、介護保険法で定められた15 の疾病をいう。

第2号被保険者(40 歳~64 歳)であっても介護保険給付対象者となるのは、“いずれかの医療保険に加入している人の内、加齢に伴う特定疾病になった人”と定められる。

(1)筋萎縮性側索硬化症

(2)後縦靱帯骨化症

(3)骨折を伴う骨粗鬆症

(4)シャイ・ドレーガー症候群

(5)初⽼期における認知症(認知)

(6)脊髄小脳変性症

(7)脊柱管狭窄症

(8)早⽼症

(9)糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

(10)脳血管疾患

(11)パーキンソン病

(12)閉塞性動脈硬化症

(13)慢性関節リウマチ

(14)慢性閉塞性肺疾患

(15)両側の膝関節、股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

特定入所者介護サービス費

【意味】

特定入所者介護サービス費とは、食費・居住費・滞在費において、低所得者に対して基準額を超えた額を支給する制度。

なお、低所得者でも低所得者でも、一定の要件に該当する場合は給付されない。

制度利用をするには、「負担限度額認定」を介護保険申請等に係る市区町村の窓口に申請し、認定されていることが条件となる。

利用できる施設は以下の通り。

・特別養護老人ホーム

・介護老人保険施設

・介護療養型医療施設

・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

・短期入所生活介護

・短期入所療養介護

なお、特定入所者介護サービス費は、通所介護(デイサービス)や通所リハビリ、グループホーム、小規模多機能型居宅介護などへの入所時には利用できない。

特定目的公営住宅

【意味】

特定目的公営住宅とは、公営住宅法のなかで定められた制度で、用途(入居者)を特定した住宅のことである。

⺟子世帯向け公営住宅、⽼人世帯向け公営住宅、⾝体障害者向け公営住宅等がある。

その優先的入居や家賃減免措置などの特別な配慮を行う制度が設けられている。

特定福祉用具

【意味】

特定福祉用具とは、介護保険制度における福祉用具の内、貸与(レンタル)に適さないものとして、厚生労大臣が特定したものである。

入浴や排泄の際に直接触れるもの。

腰掛便座、特殊尿器、入浴補助用具(入浴用椅子、浴槽用手摺、入浴台、浴室用すのこ、浴槽内すのこ)、簡易浴槽、移動用リフトの釣具等。

これらを購入する場合、投入費用の9 割が居宅介護(支援)福祉用具購入費として支給されるので、購入者負担は1 割となる。

支払い方法は償還払い方式と受領委任払い方式の2種類がある。

特定福祉用具販売

【意味】

特定福祉用具販売とは、厚生労働大臣が定める福祉用具の内、入浴・排せつの用に供するものといった貸与になじまないものの販売を行うサービスを言う。

以下の5種類の特定福祉用具が販売の対象となる。

腰掛便座・特殊尿器・入浴補助用具・簡易浴槽・移動用リフトのつり具の部分等がある。

特別児童扶養手当

【意味】

特別児童扶養手当とは、精神または⾝体に障害のある20歳未満の児童について、児童の福祉の増進を図ることを目的に支給される特別手当。

20 歳未満の重度・中度の障害を持つ子供を持つ世帯が対象で、所得が一定以上の水準だと受け取ることができない。

支給月額は以下の通り。(平成30年4月より適用)

1級 51,700円

2級 34,430円

各市区町村役場に届出をすることによって支給開始される。

リンク:厚生労働省 特別児童扶養手当

特別障害者手当

特別障害者手当とは、精神又は身体に重度の障害(身体障害者手帳おおむね1、2級程度)を2つ以上有し、日常生活において常時特別の介護を必要とする20歳以上の在宅の障害者に支給される手当。

施設に入所しているときや、継続して3ヶ月以上入院しているときや、本人、または配偶者、扶養義務者の所得が一定以上あるときは、受給該当者であっても資格停止か支給停止される。

支給月額は以下の通り。(平成30年4月より適用)

26,940円

各市区町村役場に届出をすることによって支給開始される。

リンク:厚生労働省 特別障害者手当

特例許可⽼人病院

【意味】

特例許可⽼人病院とは、⽼人慢性疾患の患者を入院させる病院で、医師や看護婦の数を少なく、介護職員を増やして対応する。

65歳以上の高齢者が入院患者の60%以上で、一般の慢性疾患患者を加えると70%以上の病院である。

ただし、1999 年以降は新規の許可は廃止されている。

床ずれ防止用具

【意味】

床ずれ防止用具とは、床ずれを防止する為の特殊なマットレスの事である。

複数の空気パッドを膨張・収縮させて体を支持する面を変化させる「圧力切替型のエアマットレス」と、より広い面で支える事により体圧を分散させる「体圧分散式マットレス」の2 つのタイプがある。

いずれもレンタル福祉用具やレンタル介護予防福祉用具の対象となる。

例えば、圧力切替型のエアマットレスを採用する場合は、⾞イスの操作・方向転換スペースを考慮して、エアポンプのサイズや取り付け位置を決める必要がある。

都道府県社会福祉協議会

【意味】

都道府県社会福祉協議会とは、都道府県ごとに設置されている、地方社会福祉協議会(社協)の一つで、県域での地域福祉の充実をめざした活動を行う。

福祉サービス利用援助事業を行う市町村社会福祉協議会その他の者と協力して都道府県の区域内においてあまねく福祉サービス利用援助事業が実施されるために必要な事業を行う。

留岡幸助

【意味】

留岡幸助(1864 年∼1934 年)は、近代日本における社会福祉事業の先駆者。

1899 年、少年教護の施設として東京巣鴨に家庭学校を創設して国⺠の力をかりた感化救済事業を創始し、1914 年には北海道遠軽に家庭学校分校現在の北海道家庭学校を創設した。

トレッカー,H.B.

【意味】

トレッカー(Trecker,Harleight B.(1911 年∼))は、アメリカのグループワーク研究者。

1948 年『ソーシャルグループワーク/原理と実際』を著した。

⻘少年の健全育成などの社会教育の領域で行われるグループワークの理論的基礎を築き、日本のYMCA(キリスト教⻘年会)等の働きに影響を与えた。

ドレッシングエイド

【意味】

ドレッシングエイドとは、障害の為に衣類の着脱が困難な人が、棒の先に付いた止め具(フック等)に衣類を引っかけて、引き上げたり下ろしたりする道具をいう。

トワイライトステイ

【意味】

トワイライトステイとは、保護者が仕事等の理由により恒常的に夜間に帰宅するため、家庭における児童の養育が一時的に困難となった場合に、その児童を児童福祉施設等に通所させ、生活指導、夕食の提供等を行うサービスのこと。

1991 年から⽗子家庭を対象に行われたが、その後、子育て支援短期利用事業の一つとして拡大されている。

ドメスティック・バイオレンス(DV)

【意味】

ドメスティック・バイオレンス(英:Domestic Violence)とは、直訳すると「家庭内暴力」の意味になるが、日本ではこれまで、子どもが親に振るう暴力を「家庭内暴力」と呼んでいたことから、それと区別して、「女性に対する夫・恋人など親密な関係にあるパートナーからの暴力」をいう。

1993 年には国連総会が「女性に対する暴力撤廃宣言」を採択。

1995 年、北京の国連世界女性会議でDVが取り上げらたのを機にアジアでもDV防止法の制定運動が広がり、既に20カ国以上の国で成立している。