障害福祉サービスを使うなら!【重度訪問介護】編

障害福祉サービスを使うなら!【重度訪問介護】編

事故、怪我、病気などが原因でその後の人生が困ったら…

身体・知的・精神の障がいが障害者手帳という形で認められたら、生活の困難から少しでも脱するために、障害福祉サービスを利用してみましょう!

障害者総合支援法の中でも障がいが重く日常的に介護が必要な方が利用する障害福祉サービスの重度訪問介護は、介護保険サービスにはないサービスなので、障害者手帳所持者や難病者の介護保険対象者も利用できる障害福祉サービスです。

障害福祉サービス利用については「事故・怪我・病気などが原因でその後の生活に困ったら」をご覧ください。

障害福祉サービス【重度訪問介護】概要

サービス内容

重度の肢体不自由者または、重度の知的障害または精神障害により行動上著しい困難を有する者であって、常時介護を有する障がい者につき、居宅において入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言、その他の生活全般にわたる援助並びに外出時における移動中の介護を総合的に行う障害福祉サービスです。
具体的なサービス内容は居宅介護と同じ。(外出に関する支援は、重度訪問介護のサービス内で行う。)

重度訪問介護なら対象となる支援

・直接本人の援助に該当しない行為(例:見守り時間 ※重度訪問介護の場合には必要に応じて見守り時間を含みます。)

・利用者(親)が障害によって家事や付き添いが困難な場合(育児支援)

・利用者(親)の子どもが一人では対応できない場合(育児支援)

・他の家族等による支援が受けられない場合(育児支援)

『ホームヘルプサービス事業実務問答集の送付について(平成9 年7 月25 日 厚生省大臣官房障害保健福祉部障害福祉課身体障害者福祉係長 事務連絡)』には、支援内容として、身体介護・家事援助の中に「買い物同行」が含まれているが、移動支援、同行援護、行動援護が創設されたことから、外出に関する支援は居宅介護ではなく、移動支援等で実施することになる(重度訪問介護利用者については、外出に関する支援も重度訪問介護の中で実施する。)。

対象者

<肢体不自由者の場合>

障害支援区分が区分4以上であって、下記のいずれにも該当する者

① 二肢以上に麻痺等があること。

② 障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外と認定されていること。

<知的障害又は精神障害がある方の場合>

障害支援区分4以上であって、障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目12 項目の合計点数が10 点以上である者。
※障害程度区分による認定調査を受けたものについては、障害程度区分の認定調査項目における行動関連項目等の点数が8点以上である者

≪知的障害又は精神障害がある方についての取扱い≫

知的障害又は精神障害がある方については、肢体不自由者による場合と異なり、重度訪問介護を利用するにあたっては事前にアセスメントが必要となる。

基準支給量

利用者の障害支援区分(区分4~6)と、介護者の状況(年齢、障がいあり、在宅時間など)を勘案して、基準時間の上乗せ時間が算定されます。
詳細はお住まいの市町村役場内にある、福祉事務所窓口へお問い合わせください。

*「通所サービス併用」の場合の時間数は、障害福祉サービスにおける日中活動系サービスの他、障害児通所支援、地域活動支援センター、日中一時支援(その目的を日中活動としているものに限る。)等を利用している者であって、一月あたり12 日以上の支給決定を受けているもの(支給決定を要しない施設等の利用者については、その利用実態において、ひと月あたり12 日以上
の通所を行っているもの)に適用するものとする。

支給期間

1年の範囲内で、月を単位として市町村が認める期間(申請を行うことで更新が可能となります。)

利用者負担

基本的に1割負担。(利用者及び配偶者の所得状況に応じ、利用者負担上限月額が設定されます。)

留意事項

・重度訪問介護を利用する方は、基本的に居宅介護、同行援護、行動援護、移動支援を利用することはできません。

・以下のいずれかに該当する場合には、同時に2人の重度訪問介護従業者から支援を受けることができます。この場合はサービス等利用計画案にその旨を記載することが必要となります。
①障害者等の身体的理由により1人の従業者による介護が困難と認められる場合
②暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合

・共同生活介護若しくは共同生活援助に入居する者(体験的な利用を行う者を含む。)は、原則として入居中は、居宅介護及び重度訪問介護を利用することはできない。
ただし、重度訪問介護、同行援護又は行動援護のいずれかの対象者となれるもので、障害支援区分が4以上の方は、共同生活介護に入居中でも、居宅介護又は重度訪問介護を利用することができる。
その場合には、共同生活介護の報酬が通常よりも低い単価となるため、利用する共同生活介護事業所と事前に十分な調整を行う必要があります。

・介護保険サービスを利用している者が、その居宅サービスの利用限度額内で不足するホームヘルプを希望する場合の基準支給量については、上記の基準支給量から現に介護保険サービスの訪問介護を利用している時間数を引いた時間数とします。

・重度訪問介護は、居宅介護に比べ支援時間が長時間となるため、サービス利用を開始する際には、サービス提供事業所と十分な調整が必要となります。

・市町村の障害制度サービスガイドラインによって、提供が適応されることされないことについて、微妙な違いがあります。詳細は実際にご利用になる市町村役場の福祉事務所窓口へお問い合わせください。

平成30年度からの改訂

平成30年4月より重度訪問介護に関わるサービスが新設されます。

厚生労働省:平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要より

①病院等に入院中の支援の評価
・ 障害支援区分6の利用者に対して、病院、診療所、介護老人保健施設、
介護医療院及び助産所(以下「病院等」という。)への入院(入所を含む。
以下①について同じ。)中にコミュニケーション支援等を提供することを
評価する。

≪入院中の支援の基本報酬【新設】≫
入院中以外の基本報酬と同様とする。

入院中以外 入院中
所要時間1時間未満の場合 184単位 184単位
所要時間1時間以上1時間30分未満の場合 274単位 274単位

※ 他の時間の単位も同様。

 

≪入院中の支援の加算・減算【新設】≫
以下を除き、入院中以外と同様とする。
イ 喀痰吸引等支援体制加算の算定は不可。
ロ 90日以降の利用は所定単位数の20%を減算する。

 

② 意思疎通が困難な利用者等への同行支援の評価

・ 障害支援区分6の利用者に対して、重度訪問介護事業所が新規に採用
した従業者により支援が行われる場合において、当該利用者の支援に熟
練した従業者が同行して支援を行うことを評価する。
≪2人の重度訪問介護ヘルパーにより行った場合の加算の見直し≫

[現 行]

イ 障害者等の身体的理由により1人のヘルパーによる介護が困難と認
められる場合等であって、同時に2人のヘルパーが1人の利用者に対し
て重度訪問介護を行った場合に、それぞれのヘルパーが行う重度訪問介
護につき所定単位数を算定する。

[見直し後]

イ 障害者等の身体的理由により1人のヘルパーによる介護が困難と認
められる場合等であって、同時に2人のヘルパーが1人の利用者に対し
て重度訪問介護を行った場合に、それぞれのヘルパーが行う重度訪問介
護につき所定単位数を算定する。
ロ 障害支援区分6の利用者に対し、重度訪問介護事業所が新規に採用し
たヘルパーにより支援が行われる場合において、当該利用者の支援に
熟練したヘルパーが同行して支援を行った場合に、それぞれのヘルパ
ーが行う重度訪問介護につき、所定単位数の100分の85を算定する(算
定開始から120時間に限る。)。

 

③ 外出時における支援の見直し

・ 障害福祉サービスは、個々の障害者等のニーズ等を勘案して支給決定
を行うものであり、1日を超える用務における支援の要否も含めて、市
町村が支給決定を行うことから、外出時の支援を「原則として1日の範
囲内で用務を終えるものに限る。」とする規定を廃止する(同行援護及び
行動援護についても同様)。

つまり、以下の内容について新設および変更となります。

①障害支援区分6の重度訪問介護利用者に対し、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院および助産所においてコミュニケーション支援等を提供することが可能となります。

②障害支援区分6の重度訪問介護利用者に対し、その利用者の支援に熟練したヘルパーに新規に採用したヘルパーが同行して支援を行った場合に、その2人のヘルパーに対し所定単価の85%(2人で170%)の算定を請求することが可能となります。(上限120時間の同行まで)

③重度訪問介護利用者(同行援護及び行動援護についても同様)への外出支援に対し、日をまたいで行う支援も可能となる。(要市町村窓口へ確認)

重度訪問介護の現状

重度訪問介護は障害福祉サービスの中でも比較的知られていないサービスなのですが、居宅介護同様に、現在どの市町村でもサービス提供をする人材不足が深刻な問題となっています。

このサービスの特徴としては、重度障がい者や進行性の難病で重度障がい者と同等の人体状況となった方の利用が多く、必然的に訪問看護や医療との連携も重要なので、専門性の高い支援内容が求められるケースも多いのですが、長時間にわたって支援に入ることが多い特性上、報酬単価が非常に低いので、高度な専門性を持つ者よりもその時間に対応できる従事者を派遣する傾向が強く見受けられます。

重度障がい者等からしてみれば、障がいが重くても住み慣れた地域で自立した生活を送るためになくてはならないサービスなので、脱施設化を政策として今後も推し進めるのであれば、今後もっとも報酬の加算が必要なサービスなのではないかと考えますが、この重度訪問介護に限らず障害福祉サービスの居宅系サービスは、とにかく介護保険サービスと比べ報酬が安いので、せめて介護保険と同等の報酬アップがなされないものだろうかと切に願っております。

年々、障害制度サービスの居宅系事業から撤退する事業所が増えているように感じるのは、私だけでしょうか?。

参考資料:障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編(中央法規出版)
参考資料:静岡市障害福祉サービス等の概要
参考資料:厚生労働省>平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

関連書籍など