障害福祉サービスを使うなら!【居宅介護】編

障害福祉サービスを使うなら!【居宅介護】編

事故、怪我、病気などが原因でその後の人生が困ったら…

身体・知的・精神の障がいが障害者手帳という形で認められたら、生活の困難から少しでも脱するために、障害福祉サービスを利用してみましょう!

障害者総合支援法の中でも最もポピュラーな障害福祉サービスの居宅介護は、介護保険サービスでいうところの訪問介護と同じ種目のサービスで、基本的に生活に困難を感じながら暮らしている障害者手帳所持者や難病者に対して適応されるサービスです。

また、40歳以上~65歳未満の方で介護保険第2号被保険者の方は、介護保険の訪問介護が優先適応されます。65歳以上の方は特別な事情がない限り、基本的にすべての方が介護保険対応となります。

詳しくは事故・怪我・病気などが原因でその後の生活に困ったらをご覧ください。

障害福祉サービス【居宅介護】概要

サービス内容

障がい者等につき、居住する住宅(以降:居宅とする)において入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯、掃除等の家事並びに、生活等に関する相談や、助言や、その他の生活全般にわたる援助を行います。
詳細については、具体的なサービス内容をご参照ください。

対象者

障害支援区分が区分1以上(障害児にあってはこれに相当する心身の状態)である者
ただし、通院等介助(身体介護を伴う場合)を算定する場合にあっては、下記のいずれにも該当する者

① 区分2以上に該当していること。

② 障害支援区分の認定調査項目のうち、それぞれ(ア)から(オ)までに掲げる状態のいずれか一つ以上に認定されていること。

(ア) 「歩行」 「全面的な支援が必要」
(イ) 「移乗」 「見守り等の支援が必要」、「部分的な支援が必要」又は「全面的な支援が必要」
(ウ) 「移動」 「見守り等の支援が必要」、「部分的な支援が必要」又は「全面的な支援が必要」
(エ) 「排尿」 「部分的な支援が必要」又は「全面的な支援が必要」
(オ) 「排便」 「部分的な支援が必要」又は「全面的な支援が必要」

基準支給量

利用者の障害支援区分(区分1~6)と、介護者の状況(年齢、障がいあり、在宅時間など)を勘案して、基準時間の上乗せ時間が算定されます。
詳細はお住まいの市町村役場内にある、福祉事務所窓口へお問い合わせください。

支給期間

1年の範囲内で、月を単位として市町村が認める期間(申請を行うことで更新が可能となります。)

利用者負担

基本的に1割負担。(利用者及び配偶者の前年度の所得状況に応じ、利用者負担上限月額が設定されます。児童は、保護者の属する世帯の所得状況を勘案して上限月額が決定されます。)

留意事項

・身体介護、家事援助のどちらを利用するかの判断としては、提供するサービス内容が身体介護中心の支援か、家事援助中心の支援かで判断することを決定します。それぞれの支援内容については具体的なサービス内容をご参照してください。

・1 回当たりの利用時間は、身体介護3 時間以内、家事援助1.5 時間以内とする。

・1 日に居宅介護を複数回利用する場合には、概ね2 時間以上の間隔を空けなければならない。別のサービス類型を使う場合は間隔が2 時間未満の場合もあり得る(身体介護30 分、連続して家事援助30 分の利用は可能。)。

・身体介護は、1 回の算定で、最短30 分、最長3 時間で30 分単位で算定すること。

・家事援助は、1 回の算定で、最短30 分、最長1.5 時間で15 分単位で算定すること。

・通院等介助は、1 回の算定で、最短30 分、最長3 時間で30 分単位で算定すること。

・通院等乗降介助は、算定単位は1 回となる。(通院等乗降介助を1 回利用した場合、1 回を30 分とみなし、基準支給量内で算定する。)

・以下のいずれかに該当する場合には、同時に2人の居宅介護従業者から支援を受けることができる。
この場合はサービス等利用計画案にその旨を記載すること。

①障害者等の身体的理由により1人の従業者による介護が困難と認められる場合

②暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合

・共同生活援助に入居する者(体験的な利用を行う者を含む。)は、原則として入居中は、居宅介護及び重度訪問介護を利用することはできない。※

ただし、重度訪問介護、同行援護又は行動援護のいずれかの対象者となれるもので、障害支援区分が4以上の方は、共同生活援助事業所に入居中でも、居宅介護又は重度訪問介護を利用することができる。その場合には、共同生活援助の報酬が通常よりも低い単価となるため、利用する共同生活援助事業所と事前に十分な調整を行う必要がある。※

(※上記の場合の共同生活援助は、いわゆる包括型共同生活援助事業所をいう。外部サービス利用型共同生活援助は受託居宅介護サービスの対象となる。)

・介護保険サービスを利用している者が、その居宅サービスの利用限度額内で不足するホームヘルプを希望する場合の基準支給量については、上記の基準支給量から現に介護保険サービスの訪問介護を利用している時間数を引いた時間数とする。

具体的なサービス内容

①身体介護

身体介護とは、利用者の身体に直接接接触して行う介助サービスのことです。(身体介護のために必要となる準備、後片付け等の一覧の行為を含みます。)。

区分 具体的な内容
健康チェック 安否確認、顔色・全体の状態・発汗・体温等についてのチェック等
環境調整 換気・室温・日当たりの調整、ベットのまわりの簡単な整頓、姿勢のずれの修正等
相談援助・情報収集 利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
体位変換 褥瘡防止のための臥位姿勢交換
更衣介助 寝間着から普段着への衣類の着脱の介助等
排泄介助 おむつ交換、尿瓶の使用、トイレへの移動、衣服の着脱、排尿・排便介助、姿勢保持のためのクッション等の配置、陰部の清潔、後始末
食事介助 食事姿勢の確保、配膳、エプロンの着用、おしぼりの用意等の準備、スプーン等の付いた自助具の装着、食事の進行に従ってのおかずをきざむ等の介助、本人のペースを重視した摂食介助、終了後の利用者の清潔の確保、利用者の身体状況の確認
全身入浴
(手・足浴・洗髪)
浴槽の清掃、湯張り、使用後の清掃、衣服の着脱、浴室までの移動、入浴(浴槽内での安楽・洗髪を含む)、身体状態の確認、髪の乾燥等、入浴後の必要な介護
清拭 湯の用意、衣服の着脱、清拭、身体状況の確認等、清拭後の必要な介護、タオル等の後始末
洗顔、身体整容 洗顔、歯磨き、手足の爪切り、耳掃除、髪の手入れ等の日常的な整容
移乗介助 車椅子やベッドへの移乗介助
水分補給・服薬介助 水の準備、薬の確認、薬を飲むのを手伝う、後片付け
起床介助・就寝介助 声かけ・説明、起き上がり介助、ベッドからの移動、就寝準備、ベッドへの移動、ベッドでの仰臥位又は側臥位の確保
特段の専門的配慮を
もって行う調理
特段の専門的配慮をもって行う調理(具体的には以下のとおり)
※疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づき提供された適切な栄養量及び内容を有する腎臓食、肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓食、高脂血症食、痛風食、フェニールケトン尿症食、楓糖尿症食、ホモシスチン尿症食、ガラクトース血症食、嚥下困難者のための流動食、経管栄養のための濃厚流動食、無菌食及び特別な場合の検査食(単なる流動食及び軟食を除く。)

②家事援助

家事援助とは、身体介護以外の居宅介護のことで、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む。)であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのために、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものをいいます。

※「家族が障害・疾病など」とは…

①家族が障害・疾病がある場合

②家族が高齢で筋力低下していて行うのが難しい家事がある場合

③家族が介護疲れで共倒れ等の深刻な問題が起きてしまうおそれがある場合

④家族が仕事で不在の時に行わなくては日常生活に支障がある場合

以上①~④をいい、その場合に家事援助を本人が活動する範囲に限って行うことが出来ます。

 区分  具体的な内容
 健康チェック  安否確認、顔色・全体の状態・発汗・体温等についてのチェック等
 環境調整  換気・室温・日当たりの調整、ベットのまわりの簡単な整頓、姿勢のずれの修正等
 相談援助・情報収集  利用者の介護のための情報収集、生活上の助言・情報提供、話を聞くこと等による心理的支援等
ベッドメイク等  シーツの交換等
 掃除  利用者の生活上必要な居室内清掃、台所掃除、ゴミ出し等
 洗濯  利用者の衣服の洗濯機による洗濯、乾燥、取り入れ等、収納、本人が普段行なっている洗濯の仕上がりの確認、アイロンがけ
衣類の整理・補修  利用者の夏冬服の入れ替え、ボタンつけ等
 調理・後片付け  食事の調理、配膳、後片付け等
 買い物・薬の受取り  買い物内容の確認、金銭の預かり票の発行、買い物(複数店での値段の比較等を含む)、品物と釣り銭の確認等
 コミュニケーション
介助
 郵便物・請求書・回覧板・チラシ等の代読、手紙・アンケート等の代筆、手話、要約筆記等
 掃除補助  利用者が行う掃除の出来具合の確認等
 洗濯補助  利用者が行う洗濯の仕上がりの確認等
 育児支援 ※  哺乳、乳児浴、乳児の健康把握の補助、言語発達の支援、保育所・学校への連絡援助等、児童の健康な発達、特に言語発達を促進する視点からの支援、保育園・学校等からの連絡帳の手話代読、助言、保育園・学校への連絡援助、利用者(親)へのサービスと一体的に行う子ども分の掃除・洗濯・調理、利用者(親)の子どもが通院する場合の付き添い、利用者(親)の子どもが保育所(場合によっては幼稚園)へ通園する場合の送迎

注意
ここでいう育児支援は、利用者(親)が本来家庭内で行うべき養育を代替するものであり、次の①から③のすべてに該当する場合に、個々の利用者(親)、子ども、家族等の状況を勘案し、必要に応じて、「居宅介護(家事援助)」又は「重度訪問介護」の対象範囲に含めるものとする。
①利用者(親)が障害によって家事や付き添いが困難な場合
②利用者(親)の子どもが一人では対応できない場合
③他の家族等による支援が受けられない場合

その他 (視覚障害者の場合)
紛失物の発見、家屋内の安全確認、本人が普段行なっている掃除の出来具合の確認、刃の付いた電気器具等危険を伴うものの掃除
身体介護・家事援助の対象とならない支援

・直接本人の援助に該当しない行為(例:見守り時間 ※重度訪問介護の場合には必要に応じて見守り時間を含みます。)

・利用者以外の者に係る洗濯、調理、買い物、布団干し等(利用者以外の者への援助)

・利用者以外の居室の掃除(例:同居家族の居室、共有スペース)
※共有スペースの掃除については、同居家族が行なうことができないと市が判断する場合には、支援内容と認められることがあります。(サービス利用計画案等に同居家族が行なうことができない旨を記載すること。)

・来客の応接(お茶、食事の手配など)

・草むしり、花木の水やり、植木のせん定などの園芸

・犬の散歩などのペットの世話

・自家用車の洗車、掃除

・日常的に行なわれる家事の範囲を超える行為

・大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ

・室内外家屋の修理、ペンキ塗り

・家具、電器器具などの移動、修繕、模様替え

・お正月、節句などのために特別な手間をかけて行なう調理

・外出については、移動支援、行動援護又は同行援護(視覚障害者対象)を利用すること。

『ホームヘルプサービス事業実務問答集の送付について(平成9 年7 月25 日 厚生省大臣官房障害保健福祉部障害福祉課身体障害者福祉係長 事務連絡)』には、支援内容として、身体介護・家事援助の中に「買い物同行」が含まれているが、移動支援、同行援護、行動援護が創設されたことから、外出に関する支援は居宅介護ではなく、移動支援等で実施することになる(重度訪問介護利用者については、外出に関する支援も重度訪問介護の中で実施する。)。

③通院等乗降介助、通院等介助(身体介護を伴う)
通院等介助(身体介護を伴わない)

区分  具体的な内容
病院等への通院 病院等に通院する場合
官公署での手続き 官公署に公的手続又は障害福祉サービスの利用に係る相談のために訪れる場合
(官公署:国、都道府県及び市町村の機関、外国公館、指定地域移行支援事業所、指定地域定着支援事業所、指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所)
障害福祉サービス事業所の見学 指定地域移行支援事業所、指定地域定着支援事業所、指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所における相談の結果、見学のために紹介された指定障害福祉サービス事業所を訪れる場合
その他の留意事項

【通院等乗降介助を利用する場合】
・通院等乗降介助については、以下のいずれの要件も満たす場合に利用することができます。

①ヘルパー自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うこと。

②「乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助」又は「移動先における手続き、移動等の介助」を行うこと。

【通院等介助(身体介護を伴う場合)を利用する場合】
・通院等のため、ヘルパー自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行う場合であって、以下の要件を満たす場合には「通院等介助(身体介護を伴う場合)」を利用することができます。

①通院等のための乗車・降車の介助を行うことの前後に連続して相当の所要時間(20 分~30 分程度以上)を要し、かつ、手間のかかる身体介護を行う場合

【通院等介助(身体介護を伴わない場合)を利用する場合】
・通院等介助(身体介護を伴う場合)の対象者の判断基準に該当しない者について、通院等乗降介助の利用状況に当てはまらない場合に、通院等介助(身体介護を伴わない場合)を利用することとなります。

注意
【院内介助の取扱い】

・病院内の移動等介助は、基本的には院内のスタッフにより対応されるべきもですが、 院内スタッフが対応できない場合で、トイレ等の移動に介助が必要な場合や、知的・精神障害で突発的な行動を防止するため手をつないでおくなどの支援が必要な場合は対象となります。

・院内介助が必要とされる場合であっても、診察室内やリハビリ中は原則算定対象とはなりません。これは診察室内やリハビリ中は院内スタッフが対応すべきものと考えるためです。ただし、重度障害者入院時コミュニケーション支援事業の対象となる利用者であって、医療機関スタッフとの意思疎通が困難な場合に、普段から当該利用者と関わっており意思疎通の仲介が可能なヘルパーが意思疎通支援を行た時間に限り算定対象とします。

【身体介護を利用する場合】
・「通院等介助(身体介護を伴う場合)」の前後において、居宅における外出に直接関連しない身体介護(例:入浴介助、食事介助など)に30 分~1 時間以上を要し、かつ、当該身体介護が中心である場合には、それらの支援は通算して「居宅における身体介護」となります。
※あらかじめ、このような利用形態である場合には身体介護のみの利用で通院に関する介助を受けることができる。
※この場合、ヘルパー自らの運転する車両を使用するか否かは問わない。

注意
・「乗車前介助」及び「降車後介助」とは、乗車・降車の介助を行うことの前後に連続して行われる外出 に直接関連する身体介護をいう。

・院内の移動等の介助は、基本的には院内のスタッフにより対応されるべきものであるが、場合により 支援の対象となる。院内介助の必要がある場合には、サービス等利用計画に理由とともにその旨を記 載すること。

・通院等介助は、ヘルパー自らの運転する車両で移動する場合だけでなく、公共交通機関を利用した場 合も対象となる。

・通院に関する介助の詳細な内容は、『平成20 年4 月以降における通院等介助の取扱いについて平成 20 年4 月25 日(障障発第0425001 号 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)』参照。

平成30年度からの改訂

平成30年4月より居宅介護に関わる以下の①~④について、サービス提供に対する評価苦準が変更となります。

つまり、居宅介護サービスの質の向上を考えた場合において、望ましい提供方法には加算し、望ましくない提供方法には減算という形で方向性が示されています。

厚生労働省:平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要より

(1)居宅介護

① 同一建物等に居住する利用者等へのサービス提供に対する評価の適正化
・ 居宅介護事業所が所在する建物と同一建物等に居住する利用者又は同一建物に居住する一定数以上の利用者に対し、サービスを提供する場合の評価を適正化する。

≪同一建物等の利用者等に提供した場合の減算【新設】≫
以下のイ又はロの者に居宅介護を行う場合は、所定単位数の10%を減算する。ハの者に居宅介護を行う場合は、所定単位数の15%を減算する。
イ 居宅介護事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する者
ロ 上記以外の範囲に所在する建物に居住する者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり20人以上の場合)
ハ 居宅介護事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり50人以上の場合)

上記①については、グループホーム等に併設、もしくは隣接した居宅介護支援事業所が、その併設もしくは隣接したグループホーム等に居宅介護サービスを提供した際に、人数によって所定単価の10%から15%減算となります。

また、併設や隣接していなくても、1つのグループホームの利用者に対して、1ヵ月20人以上にまとめて提供した場合も減算となります。

② 初任者研修課程修了者のサービス提供責任者に対する評価の適正化・ サービス提供責任者の質の向上を図る観点から、サービス提供責任者の任用要件のうち「居宅介護職員初任者研修の課程を修了した者であって、3年以上介護等の業務に従事した者」をサービス提供責任者として配置している事業所について、基本報酬を減算する。

≪初任者研修修了者がサービス提供責任者として配置されている場合の減算【新設】≫
居宅介護職員初任者研修課程修了者(介護職員初任者研修課程修了者や旧2級ヘルパーを含む)をサービス提供責任者として配置し、当該者が作成した居宅介護計画に基づいて居宅介護を行う場合は、所定単位数の10%を減算する。

上記②については、サービス提供責任者が介護福祉士か、現任者研修修了者でない方が居宅介護計画書を作成し、それによって居宅介護サービスが提供された場合は、所定単位数から10%減算となります。

③ 居宅介護ヘルパーの要件の見直し等
・ 介護保険サービスにおける訪問介護の見直しを踏まえ、居宅介護(家事援助及び通院等介助(身体介護を伴わない場合)に限る。)のヘルパーとして、訪問介護における生活援助中心型のサービスに必要な知識等に対応した研修の修了者を定め、当該者が家事援助等を提供した場合の基本報酬は、居宅介護職員初任者研修課程修了者等が提供した場合と同様とする。

上記③については、旧2級ヘルパー廃止に伴う、旧2級ヘルパー資格従事者への経過措置になります。居宅介護職員初任者研修を修了していれば(もしくはそれ以上の資格所持者)問題ないのですが、旧2級ヘルパー資格のままで居宅介護サービスに従事している方が対象となります。

詳しくは訪問介護の報酬・基準について.PDF(厚生労働省)の6ページをご覧ください。

④ 福祉専門職員等連携加算の要件の見直し
・ 精神障害者に対してより高度で専門的な支援を行うために、公認心理師と連携した場合を新たに福祉専門職員等連携加算における有資格者として評価する。

≪福祉専門職員等連携加算の要件の見直し≫
[現 行]
福祉専門職員等連携加算 564単位/日
※ 利用者に対して、居宅介護事業所のサービス提供責任者が、サービス事業所、指定障害者支援施設、医療機関等の社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、理学療法士その他の国家資格を有する者(作業療法士、言語聴覚士、看護師、保健師等)に同行して利用者の居宅を訪問し、利用者の心身の状況等の評価を当該社会福祉士等と共同して行い、かつ、居宅介護計画を作成した場合であって、当該社会福祉士等と連携し、当該居宅介護計画に基づく居宅介護を行ったときは、初回の居宅介護が行われた日から起算して90日の間、3回を限度として、1回につき所定単位数を加算する。
[見直し後]
福祉専門職員等連携加算 564単位/日
※ 利用者に対して、居宅介護事業所のサービス提供責任者が、サービス事業所、指定障害者支援施設、医療機関等の社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、理学療法士その他の国家資格を有する者(作業療法士、言語聴覚士、看護師、保健師等)に同行して利用者の居宅を訪問し、利用者の心身の状況等の評価を当該社会福祉士等と共同して行い、かつ、居宅介護計画を作成した場合であって、当該社会福祉士等と連携し、当該居宅介護計画に基づく居宅介護を行ったときは、初回の居宅介護が行われた日から起算して90日の間、3回を限度として、1回につき所定単位数を加算する。

上記④については、従来よりあった福祉専門職との連携加算において、平成30年度より新設される「公認心理師」が加わったことについて修正されている。

居宅介護の現状

居宅介護は障害福祉サービスの中でももっともポピュラーなサービスなのですが、現在どの市町村でも人材不足が深刻な問題となっています。

同じ形態で提供されている介護保険サービスの訪問介護も人材不足は深刻な問題ですが、介護保険サービスと比べて報酬の少ない障害福祉サービスは経営も難しく、居宅介護から撤退する事業者も年々増加しており、そういった問題に抜本的な対策もなされないまま、結果的にサービス事業者の選択の余地がなくなって、質の低下にも拍車がかかっているのが現状です。

一番の被害者は利用される方なのですが、ヘルパーが確実に減っている問題が原因で、利用者が希望する時間帯にサービスが提供さえず、事業者が提供できる時間を利用者がしかたなく選択するという売り手市場な業界となっております。

これかからますますの少子高齢化が進み、必然的に制度維持も困難になることは容易に想像できますが、国及び厚生労働省は脱施設、居宅で自立した生活をさせる施策を一向に変更しようとはしません。

もはや企業努力だけで事業維持をする時代は、終わりを迎えようとしています。

参考資料:障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編(中央法規出版)
参考資料:厚生労働省>平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

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