障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。
私は普段、社会福祉士として障がい者の相談支援業務を担当している相談員なのですが、日々の会議や同業者との間で交わす専門用語について、何となく使っているものの実は詳細までの把握は、ぼんやりだったりするモノも多くあります。お恥ずかしい話なのですが…。
それなので、改めて自分自身への備忘録として社会福祉専門用語を整理してみようと思いました。
また、この【障がい者生活】をお読みいただくうえで、専門用語について詳しくお知りになりたい方々にとっても役立てていただければ幸いでございます。
このページでは、社会福祉専門用語【か】から始まる専門用語について解説して参ります。
介護支援専門員
【意味】
介護支援専門員とは、介護保険法において要支援・要介護認定を受けた者からの相談を受けて、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、他の介護サービス事業者との連絡、調整等を取りまとめる者。
都道府県の実施する「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、「介護支援専門員実務研修」を全て受講して、都道府県知事の登録を受けることで介護支援専門員証が交付される。
5年ごとに更新が必要。
介護福祉士
【意味】
介護福祉士とは、1987年(昭和62年)の社会福祉士及び介護福祉士法により福祉の『相談援助』に関わる資格である。
社会福祉士、精神保健福祉士と並ぶ福祉の国家資格(通称:三福祉士)のひとつで、『介護等』に関わるケアワーカーの国家資格である。
所定の研修を受けることで痰吸引などの医療行為の一部も行うことができるようになった。
介護保険施設
【意味】
介護保険施設とは、要介護者を入所させて介護保険による施設サービスを行う介護保険施設である。
介護⽼人福祉施設、介護⽼人保健施設、介護療養型医療施設がある。
指定には、都道府県知事に申請することが必要で、特別養護⽼人ホームや療養病床等をもつ病院・診療所は介設⽼人福祉施設や介護療養型医療施設の指定を受ける事ができる。
地方公共団体・医療法人・社会福祉法人等は、介護⽼人保健施設の開設許可を受ける事が出来る。
介護保険施設には、入居者・入院患者がユニット(共同生活室とこれに近接する少数の居室・療養室・病室によって一体的に構成される。
場所ごとに日常生活を営むユニット型施設と、それ以外の従来型施設があり、原則、要介護3以上が対象となる。
介護保険制度
【意味】
介護保険制度には、社会保障制度としての公的介護保険と、もしもの時に一時金や年金が受け取れる⺠間介護保険の二つがある。
社会保障制度としての公的介護保険は、介護を必要とする人が適切なサービスを受けられるように、社会全体で支え合うことを目的とした制度である。
介護保険審査会
【意味】
介護保険審査会とは、要介護認定や保険料等の徴収金に関する不服に対して、被保険者が審査請求を行う事が出来る機関である。
都道府県ごとに設置され、都道府県知事に任命された被保険者代表3名、市町村代表3名、公益代表3名以上の合議体で審査請求に対する審理・裁決を行う。
介護扶助
【意味】
介護扶助とは、生活保護制度の生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助、左記の8つの扶助構成のうちの一つ。
介護扶助とは、八種の扶助のうちの一つで、利用した介護サービスなどに係る費用を賄う扶助。
原則として現物で給付される。
介護用ベッド
【意味】
介護用ベッドとは、寝ている人の上半⾝を適切な角度に起こしたり、膝関節を屈曲した状態に保持出来る等、介護される者が快適かつ衛生的に使えるよう工夫された電動ベッドである。
介護者の負担も軽減できるが、安易な利用により残存機能を奪うこともあり、選ぶ際は高さや幅、マットの硬さ等、理想的な介護用ベッドを選ぶ事が必要とされる。
介護予防サービス
【意味】
介護予防サービスとは、「要支援1」「要支援2」の人を対象に提供される介護サービスである。
サービスの種類として、介護予防訪問介護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防訪問看護、介護予防訪問入浴介護、介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所療養介護、介護予防短期入所生活介護などがある。
平成27 年度の介護保険法改正で、介護予防訪問介護と介護予防通所介護は、介護予防・日常生活支援総合事業に移行されることとなった。
介設予防支援
【意味】
介護予防支援とは、在宅の要支援者に対して、介護予防サービス等を適切に利用出来るように、依頼を受けた介護予防事業者などにより行われるケアマネジメントのこと。
介護予防サービス計画の作成、予防サービス事業者との利用調整や紹介などの支援を行う。居宅介護支援事業者も委託を受けて、行うことができる。
介護⽼人福祉施設
【意味】
介護老人福祉施設とは、介護保険施設の一つで、「要介護3」以上の方が入所可能である。しかし、やむを得ない理由があれば要介護1からでも入所は可能である。
常に介護が必要な方の入所を受け入れ、入浴・食事・排泄などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供する。
介護⽼人保健施設
【意味】
介護老人保健施設とは、介護保険施設の一つで、要介護1以上の方が入所可能。
特にリハビリ機能に特化し、在宅復帰を目指す施設で、医療と福祉の中間あるいは病院と在宅の間で、「中間施設」と呼ばれ、入所期間の目安としては概ね6ヶ月程度となっている。
介助用標準⾞イス
【意味】
介助用標準車イスとは、介助者が移動に必要な操作を行う⾞イスである。
JIS規格では、前輪がキャスターで後輪のハンドリムはついていないものを指し、ブレーキ位置も、介助者が使う前提で後輪の後方についているものが多い。
ハンドグリップに自転⾞のブレーキのような補助ブレーキをつけ坂を下る時の制動を容易にした製品もあるが、自走式の⾞イスのグリップに補助ブレーキをつけて介助用とすることもある。
階段昇降機
【意味】
階段昇降機とは、階段の昇り降りが困難な人や、階段の昇り降りで心臓に負担が掛かる人などが安全に階段を上がれるように、ガイドレールを階段に昇降機が走行する為に設置し、人を乗せ階段を昇降する。
椅子に駆動装置が付いたものや(いす式階段昇降機)、⾞椅子が乗れるテーブルに駆動装置が付いたもの(⾞椅子用階段昇降機)がある。
回復期リハビリ
【意味】
回復期リハビリテーション(かいふくきリハビリテーション、英: recovery rehabilitation)病棟は、急性期を脱して、在宅復帰を目指すリハビリを目的とする病棟のことである。
全国回復期リハビリテーション病院協議会によれば、2007年現在、届出病床数(累計)42、174床 937病棟となっている。
学習障害
【意味】
学習障害(Learning Disorders、Learning Disabilities、 LD)とは、単一の障害ではなく様々な状態が含まれる。
医学、心理学、教育学の分野にまたがって研究が進められ、それぞれによって概念が若干異なる。
全般的な知的発達に遅れはないとされているが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうちの特定のものの修得や使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指す。
バランス感覚を欠き、⾝体の協調運動の困難を合わせ持つ子も多く、リハビリテーション医学の分野でも研究が行われている。
拡大鏡
【意味】
拡大鏡(magnifying glass)とは、レンズで物体を拡大して観察する光学機器で、物体を拡大して映す道具である。
凸レンズやフレネルレンズが使われ、ルーペ、虫眼鏡ともいわれる。
下肢装具
【意味】
下肢装具とは、股関節から足先にかけての部位に装着する装具。
目的として変形の予防・矯正、病的組織の保護、失われた機能の代償・補助などがある。
関連リンク:厚生労働省 補装具ガイドブックPDF
下腿切断
【意味】
下腿切断とは、下腿部での切断をした状態をいう。
BK(below-knee)という略称であったが、現在ではTT(trans-tibial)という略称の方が正確となっている。
片麻痺
【意味】
片麻痺とは、一側性にみられる上下肢の運動麻痺をいう。不完全な麻痺を不全麻痺と呼ぶ。
原因となる障害部位は脳の大脳皮質及び内包や脳幹部から脊髄迄多岐に渡る。
原因疾患も脳内出血、脳腫瘍、脊髄腫瘍等様々な原因がある。
なお、クモ膜下出血では片麻痺のような局所的障害よりも全般性の障害がでる事の方が多い。
カテーテル
【意味】
カテーテルとは、尿、血液、体液の排出や薬剤等の注入に用いられる柔軟性のある管をいう。
栄養補給、排尿、点滴などで使われ、部位に応じて多種類のものがある。
材質には、金属、プラスチック、ゴムなどがあり、太さと⻑さも用途により種類が分かれている。
加齢性難聴
【意味】
加齢性難聴とは、高齢者にみられる聴力の年齢変化の事をいう。
生理的変化は、生活習慣病などの個人的な⾝体的条件に影響されている可能性があり、実際の難聴の程度には個人差が大きくある。
簡易電動⾞イス
【意味】
簡易電動車イスとは、左右後輪をモーター組み込み型の⾞輪に交換し、手動⾞イスのフレームをそのまま利用して、電動⾞イスとしたものをいう。
⾞輪は、中心部にモーター、減速装置、クラッチ機構が組み込まれ、バッテリーを取り付け・取り外しが簡単に出来るようになっている。
⾞イスに組み込まれて販売されるものと、部品の形で供給され、任意の⾞イスを改造すれば組み込み可能なものがあるが、強度面で適応しない⾞種もある。
簡易電動車イス紹介記事↓
参考
手動車いす電動ユニット【アタッチメント編】手動車いすにアタッチメントで取り付けるタイプの電動ユニット情報です
簡易浴槽
【意味】
簡易浴槽とは、寝たきりなどで入浴に介助が必要で自宅浴槽では入浴できない人の為に、用いられる持ち運び可能な浴槽である。
感音性難聴
【意味】
感音性難聴とは、感音器(内耳・聴神経)の部分に機能障害がある場合の聴覚障害をいう。
感音性難聴は、先天性難聴と後天性難聴の2つに分けられる。
先天性難聴は、出生時に難聴が生じる新生児に最も多くみられる異常で、遺伝性、胎児期の発達異常が原因とされている。
後天性難聴は、外傷、加齢、過度の騒音、メニエール病、髄膜炎、特定の薬剤などでなることもある。
患側
【意味】
患側とは、片麻痺の不自由な側を指すが、疼痛や怪我を負っている箇所にも用いられる事がある。
患側とは反対側の健常な側は、健側という。
眼球運動操作ワープロ
【意味】
眼球運動操作ワープロとは、カメラやセンサーを介して視線の動きでワープロを入力する事で意志を伝える事が出来る意思伝達装置の一種。
パソコンでのインターネット接続やメール受信、テレビを視聴出来るものもある。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)により筋肉が萎縮し筋力が低下した場合でも眼球運動は保たれる場合が多く、この眼球運動を利用するもので、パソコンを使用する重度障害者用意思伝達装置は、2006(平成18)年10月から補装具の対象となった。
眼球運動操作ワープロ関連記事はこちら↓
参考
環境制御装置専用機編重い障害がある方が使いやすいように作られた環境制御装置の情報
環境制御装置
【意味】
環境制御装置とは、僅かな随意機能でセンサーやスイッチを作動させ、複数の装置を制御出来る装置のこと。
単機能から複数の機器を制御出来るものなどあるが、環境制御専用機とコンピュータと組み合わせて利用するタイプに分けられる。
環境制御装置の関連記事はこちら↓
参考
組み合わせタイプ編健常者や障害があるなしに関係なく誰もが使いやすいように作られた環境制御装置の情報
喚語困難(かんごこんなん)
【意味】
喚語困難とは、言いたくても、言葉を思い浮かべる事ができない失語症にみられる障害。
何という言葉かを思い出せないという症状で、語健忘ともいう。
関節可動域
【意味】
関節可動域とは、関節運動の方向や運動範囲をいう。
関節角度計で各運動の方向(屈曲、伸展、外転、内転、外施、内施等)の最大角度を測定する。
測定は自分で動かす自動運動と第三者が動かす他動運動の2つを行う。
痛みや拘縮等で関節可動域が低下し、関節が可動範囲より狭くなる事を関節可動域制限という。
調節可動域の維持と拡大の為に行われるのが関節可動域訓練といい、主に理学療法士:(PT)や作業療法士(OT)によって行われる。
関節リウマチ
【意味】
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:RA)とは、主に手足の関節を自己の免疫が侵すことで、関節痛、関節の変形が生じる膠原病の一つで、炎症性自己免疫疾患である。
血管、心臓、肺、皮膚、筋肉などの全⾝臓器にも障害が及ぶ可能性がある。
完全麻痺
【意味】
完全麻痺(paralysis)とは、骨格筋の随意運動が完全に喪失した状態を指す。