漫画【パーフェクトワールド】8巻を読んで想うこと…【時の流れと心の変化】

漫画【パーフェクトワールド】8巻を読んで想うこと…【時の流れと心の変化】01

障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。

※※※この前書きは【1巻を読んで想うこと…】と共通の内容を引用しています※※※

私は、頸髄損傷(受傷部位:C6)四肢麻痺という比較的重度な身体障害がある手動車いすユーザー です。

普段は障害のある方々の支援をする某障害者生活支援センターに勤務して相談支援業務を行っておりますが、そういった日々の業務経験を積み重ねるうちに、いつしか社会保障制度や社会福祉全般に詳しくなり、気が付けば社会福祉士という資格も取得することが出来ました。

そんな私セイタロウですが、そういった仕事を通じて身体、知的、精神という障がいがある方々と交流を深めたり支援をさせていただくなかで、障がい者の生活について今まで以上に興味と関心を持つようになりました。


参考
セイタロウのプロフィール障がい者生活管理人&著者セイタロウの自己紹介

プロフィールにも書いてあるのですが、私セイタロウは映画や読書が好きなのですが、読書については小説や啓発本や専門書なども読みますけど、やっぱり漫画も大好きです。

好きな漫画は、週刊少年ジャンプを読んで育った世代なのでドラゴンボールや、シティーハンターや、スラムダンクなどなど(世代がよくわかると思います(笑))書き出せばキリがありません。

実は最近はあまり漫画を読めてはいなかったのですが、それでも車いす利用者が登場人物として描かれている漫画は、やはり自分も車いす利用者だけに気になって読んでしまいます。

車いす利用者、特に脊髄損傷という人が主役で描かれている漫画といえば、井上雄彦さんの作品である「リアル」が有名ですが、今回は2018年10月に映画公開された「パーフェクトワールド 君といる奇跡」の上映によって、有賀りえさん原作の本作品を知り、瞬く間にその世界観に引き込まれていきました。

今はただの車いすに乗ったおじさんとなってしまった私ですが、こんなおじさんでも本作品を読み返す度に胸がキュンキュンしてます(笑)

決して胸の動悸ではないと思います(笑)

さて、またまた前置きが長くなりましたが、今回、有賀リエさん原作の「パーフェクトワールド」が、「2019年4月/カンテレ・フジテレビ系4月クールの火9ドラマ」として放映されるとのことが決まり、先日第一話の放送がされました。

この投稿は原作の一ファンとして陰ながら応援させていただきたく、単行本一巻毎にネタバレを含まない感想を、脊髄(頸髄)損傷当事者である私セイタロウの実体験を踏まえて書かせていただこうと思った次第です。

パーフェクトワールド 作品紹介【1巻からの共通項目あり】

原作紹介

さて、この【漫画【パーフェクトワールド】8巻を読んで想うこと…】の感想を書く前に、まずは作品紹介です。

作品名:パーフェクトワールド(8)

発行日:2018年9月13日発売/2019年3月17日現在までに全9巻発刊

著 者:有賀 リエ

発行所:株式会社 講談社[〒112-8001東京都文京区2-12-21]

内容紹介

震災の夜、避難先の車の中で一夜を過ごした樹とつぐみ。翌日、是枝と長沢が東京から駆けつける。樹は長沢と一緒に避難することになり、二人は再び別れる。だが是枝は二人が車中で過ごしたことを知ってしまう…。つぐみは友人の舞花に誘われて東京に出る。舞花は車イスに乗る恋人・晴人と別れていた。別れたことに「後悔はない」とうい舞花と晴人。その夜、是枝の家に行く予定だったつぐみが向かった先は樹の元だった。

Amazonより引用

ちなみに私セイタロウは、電子書籍にて愛読しております。

2019年7月19日 追記

YouTubeの漫画紹介(テレビドラマとの違いも確認してみてはいかがでしょうか?)

2018年10月には映画化!

作品名:映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』公式サイト:http://perfectworld-movie.jp/

監 督:柴山 健次

主 演:岩田 剛典(三代目 JSoul Brothers)・杉咲 花

漫画【パーフェクトワールド】1巻を読んで想うこと…02

出典:http://perfectworld-movie.jp/

予告編動画はこちら↓

2019年4月3日水曜日にはBlu-ray&DVDも発売されるようです。

2019年4月ドラマ化!

カンテレ・フジテレビ系4月16日の火曜日9時 ドラマ『パーフェクトワールド』

『いつかこのドラマが ただのありふれた ラブストーリーに なりますように。』

主演:松坂 桃李・山本 美月

パーフェクトワールド ドラマ公式サイト:https://www.ktv.jp/perfectworld/index.html

大変な人気作品となってきており、いまだ熱冷め止まぬどころかテレビドラマまで始まるので、今後ますます注目の作品となること間違いなしですね。

2019年7月19日 追記

ドラマ紹介の動画が消えてしまったので、パーフェクトワールドのチェインストリーをご紹介させていただきます。

さらにドラマパーフェクトワールド主題歌 菅田将暉さんの「まちがいさがし」PV

パーフェクトワールド8巻と私【時の流れと心の変化】について

さて、今回はこのパーフェクトワールドの8巻についてのブログ更新となります。

今回のこのパーフェクトワールド8巻ですが、7巻の最後に是枝君のところへ向かうはずだったつぐみが、樹の玄関の戸の前に立っていた…といった物語が展開されていきますが、周囲の環境の移り変わりや当事者それぞれの想いのうねりのようなものが、時の移り変わりとともに変化して行く様が、この8巻の中で大きく変化して行くという、物語の大きな変換点となった展開だったように感じます。

パーフェクトワールド8巻の前半に出てくる復興を願うキャンドルナイトの場面にて、樹が言った言葉がとても印象的で、私セイタロウとしても深く共感いたしました。

「取り返しのつかないこと それがあったうえで生きていくからこそ 人生だからなのかな」

「忘れることが幸せにつながるとは思えなくて… 失ったものを見つめながら どう生きていくのか答えを出してゆく…」

引用:パーフェクトワールド8巻より

樹も若くして交通事故によって脊髄損傷となってしまい、受傷当時は「あんなことさえなければ…」と後悔ばかりの日々が続いたことでしょう。

私セイタロウも同じく、あの事故さえなければ…あの日をやり直せるなら…、などと初めの内は後悔ばかりの日々を過ごしていましたが、今になって思えば、その苦しんだ日々があったからこそ、他者の心の苦しみも理解できるようになり、人生いつ何時何があるかわからないから、“今できる事を今しておこう”という気持ちにもなることも出来ました

人は誰しも、今日出来ることが明日も出来る保証はなく、また、今日出来なかったことが明日出来る可能性もあるのです。

これは至極当然なことなのですが、このこと本質を理解して計画的に行動するか、はたまた無理解でダラダラと無計画に行動するかでは、その後の人生に大きな差が生まれることは間違いありません。

つまり私は、その本質に気づいてから“後悔している時間”すらもったいないと思えるようになったわけですが、その本質を掴むためには、困難な出来事や、深い悲しみや辛い経験や、悩み苦しむ時間がなければ、その答えを掴むことは出来ないので、やはり人生において一見無駄に思える出来事や行為であっても、それは決して無駄ではないとも言えます。

人生に起こるすべての出来事は必然で、その人にとって必要なことが必ず起こるべくして起こると考えると、どんな困難な出来事が来ても、“さて、どうやって乗り越えてやろうか!”と、わくわくした気持ちで困難を迎えることが出来ます。

とはいうものの、あまりに大きな困難だとやはりたじろぎますけど…。

さて、話を本題に戻すと、樹とつぐみも時間の流れとともにそういった困難と立ち向かい、もしくはこれから立ち向かおうとする決意を固めて、新たな人生を力ずよく前へ進むために二人で答えを出したのでしょう。

そして、このパーフェクトワールド8巻を読んでいてもう一つ心に残った点は、看護師時代の長沢さんが患者さんに元気を持ってもらおうと企画した、「よさこい」の演技構成でした。

1、ショック期(病気や事故に見舞われてしまった後)

2、治療期(現状を受け止め 勇気を出して立ち上がろうとする)

3、回復期(社会復帰に向け 前向きに取り組んでいこうとする)

上記のリハビリにおける人の気持ちの移り変わる様を、3部構成に分けて踊りで表現していました。

長沢さん達が患者さん達のために踊ったこの「よさこい」の表現は、大変わかりやすくて患者さん達の心にスッと落ちていったようですね。

現在のリハビリ病院も概ねこういったことを基盤として日々リハビリに励んでいただいていることかとは思いますが、実際のところリハビリ病院には、機能低下が迫っている病気の方や、高齢によって先の希望が持ちにくい方々もいらっしゃるので、誰しもがこういった流れで行けるとは限りません。(いちゃもんではありませんよ(汗)

また、高齢になってから(もしくは高齢ではなくても)重い障害を負ってしまうと、ショック期が長く続き、場合によっては治療期や回復期へと気持ちを移行できない方がいることも事実です。

だから、その方それぞれの状況を鑑みて、現状維持や、低下していくにしても緩やかに低下するように、低下の速度を弱めるリハビリというのもあります。

つまり何が言いたいのかというと、人それぞれ心の柔軟性や症状や環境が違うので、誰でも一律にリハビリを頑張れということは、人によって大き下ストレスとなることも多く、特に1番のショック期の時期に「とにかくリハビリ頑張れ」みたいな声掛けは、かえって逆効果であるということもご理解いただきたかったのです。

まあ、私が交通事故をした30年弱前はとにかく「若いんだからリハビリ頑張って社会復帰しろ!」と首根っこ掴まれて、自分は自衛隊にでも入隊したのか?と勘違いするほど、半ば強制的に来る日も来る日もリハビリを嫌々行っていましたが、今思えばその時のショックを抱えている心が随分と置き去りにされていたんだな…と感じます。

最近は、臨床心理士などの心理相談員が在籍している病院も増えてきているので、私が事故をした当初の時代から比べれば、少しはリハビリに取り組みやすい環境が整えられているようにも感じます。

いずれにしても現代においては、「○○だからこうしなければいけない」といった理屈は、通用しずらくなってきている時代なのではないかと、社会福祉士である私は思うのです。

とはいうものの、その首根っこ掴まれてリハビリを行ったからこそ、今の自分があるともいえるので、自分が言っていることの矛盾に対して不快感が否めません(笑)

しかし、人は自分の行動に理由や意味付けをすることによって、次なるステップに進めるようになるので、例えどのような選択を選んで思うような方向に進めなかったとしても、次に違う選択をして、軌道修正をしていけばよいのです。

人生は選択の連続で、いつどの時点からでも人生はやり直せます。

したがって強引に結論付けると、いつでもどのような選択ができるように、この道を進めばこのようになる可能性があると、情報提供をしていただいたり、自ら積極的に情報収集を行い、自分が選んでその道を自分の責任において進んでいくという、意志が必要なのだと思います。

良い意味でも、悪い意味でも、自己責任の時代なのかもしれません。

そういった意味では、樹もつぐみも、是枝君も長沢さんも、圭吾さんも楓さんも、時の流れとともに様々な思いと向き合いながら、心の変化に決着をつけて次なるステップに進むための選択をしていったのですね。

さて…、今回はパーフェクトワールド8巻の内容について私セイタロウなりの視点で内容を紐解いてみましたが、この記事の内容が少しでもお役に立てていただければ幸いでございます。

さてさて…今後、樹とつぐみに行く末はどうなってしまうのでしょうか…。

つぐみのお父さんは、はたして…。

まとめ

以上が本作品を読んだ私の感想となりますが、お読みになった皆様はいかが感じられたでしょうか?

今回は、【時の流れと心の変化】について、パーフェクトワールド8巻の内容に沿って書いてみましたが、人生は選択の連続ですね。

時も、心も、流動的なので、一つの選択さえすればOKなんてことはない、といったことを書きたかったのですが、これをお読みくださった皆様には伝わったでしょうか。

一つの選択が、ある者にとっては成功であり、またある者にとっては失敗となりうるけど、時が移り変われば人の心も変わって、勝者が入れ替わったり、はたまたさらなる選択によって、すべてが勝者のいわゆるWinWinの関係性だって築けます。(その逆も…)

時の流れによって心変わりすれば、その時点でまた違う選択をすればよい。

個人的にはこの記事を書いていて、私たち一人一人が、この時代に生きて日々選択していくことによって世の中は少しずつ変わっていくので、その先の時代が少しでもよい時代になるように、よい選択とは何かについて今後も考えて生きたいと思いました。

そんなことを想わせてもらった、今回のパーフェクトワールド8巻でしたが、こういった作品が世に広まることによって、障害者理解が進み、健常者や障害者の垣根が少しでもなくなるようになることを、心より願っております。

さて、今回もこのような記事としてまとめてみましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

今後は現時点で残すところ、パーフェクトワールド9巻のみとなりましたが、またこのような形でご紹介させていただく予定でございます。

ご参考までに私が交通事故のあった時の状況は以下の記事をご覧ください↓

この記事をお読みくださった皆様は、どのようにお感じになられたでしょうか…。

障害があっても、生きづらさがあっても、生きる意味はきっとあり、恋愛だってあきらめることはないと強く言いたいです。

このような内容でしたが、いつか、どこかで、どなたかのお役に立てる内容であったら嬉しく思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

セイタロウ

パーフェクトワールド 関連作品紹介

今回紹介したのはパーフェクトワールド8巻でしたが、2019年3月現在に9巻まで発刊されております。