社会福祉 専門用語備忘録【さ】

社会福祉泉温用語さ

障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。

私は普段、社会福祉士として障がい者の相談支援業務を担当している相談員なのですが、日々の会議や同業者との間で交わす専門用語について、何となく使っているものの実は詳細までの把握は、ぼんやりだったりするモノも多くあります。お恥ずかしい話なのですが…。

それなので、改めて自分自身への備忘録として社会福祉専門用語を整理してみようと思いました。

また、この【障がい者生活】をお読みいただくうえで、専門用語について詳しくお知りになりたい方々にとっても役立てていただければ幸いでございます。

このページでは、社会福祉専門用語【さ】から始まる専門用語について解説して参ります。

座位

【意味】

座位とは、上半⾝を90度又はそれに近い状態に起こした姿勢で座位姿勢ともいい、下記の3点が代表的である。

① 半座位(ベッド上で上半⾝を45度程度上げた体位)

② 起座位(直起座位をとるか前倒れで机上に枇等で上半⾝を据える呼吸器疾患患者によくみられる体位)

③ 端座位(ベッドの横に足を下ろした状態の体位)

以上の種類があり、この他に正座、あぐら、⻑座位、椅子座位などもある。

在宅酸素療法

【意味】

在宅酸素療法とは、在宅で行う酸素吸入治療法で、慢性呼吸器疾患、慢性呼吸不全状態にある者が行う療法。

医師の指示に従って、酸素を供給する装置(酸素ボンベ・酸素濃縮器等)を設置する。

酸素吸入を続ける事で低酸素血症を改善して息切れ感の消失・軽減により、疾病の発生あるいは進行を予防する。

在宅酸素療法を実施する保険医療機関等では、酸素吸入設備、気管内抑管・気管切聞の器具、レスピレーター、気道内分泌物吸引装置、動脈血ガス分析装置、スパイロメトリー用装置、胸部エックス線撮影装置が求められている。

在宅重度⾝障害者住宅改造

【意味】

在宅重度⾝障害者住宅改造とは、障害者の日常生活用具を容易にする事を目的として、在宅の重度⾝体障害者に適するように住宅設備を改造する場合の費用の一部を助成する制度。

在宅人工呼吸療法

【意味】

在宅人工呼吸療法とは、⻑期にわたり持続的に人工呼吸器を使用しなければならないが安定した病状にある場合、在宅において実施する方法。

対象患者は、神経難病(筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病等)の方で、人工呼吸器(レスピレーター)、気道内分泌物吸引装置を使用し、人工的に、気道の確保と換気を行う。

作業療法士(OT:オーティー)

【意味】

作業療法士(略称OT(Occupational Therapist))とは、医師の指示のもとに、⾝体・精神に障害のある人に対して、作業療法を行う人又は資格をいう。

主体的な患者の生活の獲得を図る為、家事等の日常生活活動や手芸・工芸・絵画・園芸といった作業活動を用いて諸機能の回復・維持・開発を促す。

「理学療法士及び作業療法士法」で定められた国家資格で、厚生労働省による作業療法士試験の受験資格には、指定の学校又は養成施設において、3年以上作業療法士として必要な知識・技能を修得した者等の制限がある。

例年2月末に筆記試験、3月初めに口述試験及び実技試験が行われ、同月末に合格発表。

合格者には、免許申請の手続き後、作業療法士免許が与えられる。

錯誤

【意味】

錯誤とは、意図した語とは異なる語が誤って出る現象をいう。

音韻性錯語(おんいんせいさくご)では、「とけい」が「とてい」など、語音の置き換えがみられ、語性錯誤では「兄」というべき所で「弟」という関連する言葉が出る。

錯語が重度になると、ジャーゴンといって何を言っているのかわからない発話になる場合もある。

差し込み便器

【意味】

差し込み便器とは、トイレが利用できない寝たきりの方などが、ベッド上で寝たままの姿勢で排泄するのに使用する携帯便器。

一般的には、家庭で使用する場合は、差し込みがスムーズに行えるプラスチック製の差込便器を使用する。

座席昇降式⾞イス

【意味】

座席昇降式⾞イスとは、下肢不自由者が使用する⾞イスに、座面に昇降装置が付加されている特殊車イスのことを指す。

使用者がレバーを握って昇降させ、レバーを離した時に座面の高さが固定されることで、⾞イスに一人で乗り降りする事や、床にあるものを拾い上げる事、ベッドや布団へ移る事など高さの異なる物への乗り降りが楽に出来るようになる。

三輪・四輪歩行⾞

【意味】

三輪・四輪歩行⾞とは、車輪付き歩行器のことで、⾞輪の数で「二輪歩行⾞」「三輪歩行⾞」「四輪歩行⾞」「六輪歩行⾞」などの種類がある。

レンタル(介護予防)福祉用具の対象で、屋外で歩行⾞を使用する場合、玄関周辺に収納スペースを確保する必要がある。

屋内で使用する場合は、トイレや洗面所等の中迄入れるか、歩行⾞の操作スペースがあるかどうかを確認し、ない場合はスペースを確保する為の工事が必要。

残存能力(残存機能)

【意味】

残存能力(残存機能)とは、障害がある者が、障害を受けていない⾝体部分の機能を用いて発揮する事が出来る、潜在的にもっている能力をいう。

済世顧問・方面委員制度

【意味】

済世顧問・方面委員制度とは、1917年に岡山県が済世顧問制度を、1918年に大阪府が方面委員制度を創設し、生活状態調査、生活指導・相談を行った制度。

済世とは世の中を救うことで、方面とは地域のことを指す。

リンク:全国民生委員児童委員連合会 民生委員・児童委員制度の歴史

最低生活保障の原理

【意味】

生最低生活保障の原理とは、生活保護法の基本原理の一つ。

最低限度の生活とは、健康で文化的な生活水準を維持することができなければならない(生活保護法第3条)と定められている。

憲法第25条で定められた健康で文化的な生活水準を維持することができる最低限度の生活を保障すること。

査察指導員

【意味】

査察指導員とは、社会福祉事業法第14条で福祉事務所に設置することになっている「指導監督を行う所員」のことをいう。

生活保護の業務を行う現業員(ケースワーカー)の指導・監督を行い、スーパーバイザーともいわれる。

サテライトケア

【意味】

サテライトケアとは、高齢者ができる限り住み慣れた地域社会の中で生活を続けることができるよう、市町村と特別養護⽼人ホームなどの連携の下、各地域で⺠家等を活用し、小規模で多機能なサービス拠点を展開していくことを支援するもの。

福祉施設が近隣小学校区や中学校区にケア拠点を設置し、近隣住⺠とともに、地域で安心して住み続けることを支援することを地域サテライトケアという。

里親制度

【意味】

里親制度とは、児童福祉法に基づく子どもの福祉のための制度。

親の病気、離婚や経済的理由、児童虐待などで実親のもとで育つことができなくなった子どもたちを、親に変わり養育していく者をいう。

子どもを養育する期間や内容により、「養育里親」「短期里親」「親族里親」「専門里親」の4 種類に分けられる。

⺠法に基づく養子縁組を前提とした養子里親とは異なる。

リンク:厚生労働省 里親制度

在宅福祉三本柱

【意味】

在宅福祉三本柱とは、訪問介護(ホームヘルプ)、短期入所生活介護(ショートステイ)、通所介護(デイサービス)の3種類をいう。

2000年度から介護保険制度実施にともない、ゴールドプラン21が実施され、よりサービスの必要度が増している。