社会福祉 専門用語備忘録【こ】

社会福祉泉温用語こ

障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。

私は普段、社会福祉士として障がい者の相談支援業務を担当している相談員なのですが、日々の会議や同業者との間で交わす専門用語について、何となく使っているものの実は詳細までの把握は、ぼんやりだったりするモノも多くあります。お恥ずかしい話なのですが…。

それなので、改めて自分自身への備忘録として社会福祉専門用語を整理してみようと思いました。

また、この【障がい者生活】をお読みいただくうえで、専門用語について詳しくお知りになりたい方々にとっても役立てていただければ幸いでございます。

このページでは、社会福祉専門用語【こ】から始まる専門用語について解説して参ります。

構音障害

【意味】

構音障害とは、話し言葉の一つひとつの語背を発する事に障害がある状態で、発声発語器官の麻痺などの運動機能障害、口蓋裂等発声発語器官の形態異常、聴覚障害等が原因とされる。

症状は、語音を発する事ができない人から、ろれつが回らない、ゆっくりしかしゃべれない等がある。

原因疾患は、脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷の他、脳性麻痺、パーキンソン症候群、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症等がある。

言葉を組み立てたり、文を理解したりする能力には問題はなくコミュニケーションの際には、音声言語だけでなく、⾝ぶり、筆談等のコミュニケーション手段、文字盤、コミュニケーションエイド等の代替コミュニケーション手段を活用する。

交互式歩行器

【意味】

交互式歩行器とは、フレームに取り付けられた左右の脚を交互に前に振り出しなから進む歩行器で、(介護予防)福祉用具貸与の対象。

主に室内で使用され、床面が平らで凸凹がない場所でしか使えない。

その為敷居には、ミニスロープを設置する等の工夫が必要である。

拘縮

【意味】

拘縮とは、関節が筋、靭帯、皮膚等関節の周囲の軟部組織の変化で拘縮して動かなくなる、関節の可動域が一定方向に制限されることをいう。

主なものは、関節が硬くなる関節拘縮がある。

公益法人

【意味】

公益法人とは、営利を目的とせず、公益に関する事業を行う⺠法第34 条の規定に基づいて設立された法人。

設立には主務官庁の許可が必要で、社団法人ち財団法人の2種類がある。

医療法人、社会福祉法人、宗教法人、学校法人については、それぞれ特別法が定められている。

高額医療合算介護サービス費

【意味】

高額医療合算介護サービス費とは、医療保険と介護保険の定率負担額の合算が、負担限度額を超えた場合、その超えた額を医療保険と介護保険とで按分して給付する制度。

市町等役所内の介護保険にかかわる課の窓口にて申請するより、負担額の一部が、登録した銀行口座などに後日払い戻される。

高額介護サービス費

【意味】

高額介護サービス費とは、定率負担が一定額を超えた場合、その超えた額を給付する制度。

一定額とは、対象者(世帯)の所得に応じて4段階に設定されている。

市町等役所内の介護保険にかかわる課の窓口にて申請するより、負担額の一部が、登録した銀行口座などに後日払い戻される。

更生医療(自立支援医療)

【意味】

更生医療とは、身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者に対して、その障害を除去・軽減する手術等の治療によって確実に効果が期待できるものに対して提供される、更生のために必要な自立支援医療費の支給を行う制度。

対象は、⾝体障害者手帳を所持し、医療保険に加入している18 歳以上の者だが、所得等の制限がある。

更生医療による治療は、指定医療機関で受けることが条件で、治療開始前に担当医の診断書が必要。

リンク:厚生労働省 自立支援医療(更生医療)

行動援護

【意味】

行動援護とは、知的・精神障害で行動が困難で常に介護が必要な障害者に対し、行動する時の危険を回避する援助や外出時の移動の補助を行うこと。


参考
障害福祉サービスを使うなら!【行動援護】編障がい者生活

行動変容アプローチ

【意味】

行動変容アプローチとは、ケースワーク理論に学習理論を導入したもの。

条件反射の消去や強化で特定の症状の解決を図る。

焦点を利用者の問題に置いて、変化すべき行動を観察することで、問題行動を修正しようとする考えをいう。

⻩斑変性症

【意味】

⻩斑変性症とは、網膜の⻩斑が変性し、視野の中心部が見えにくくなる疾患で、喫煙が危険因子となる。

症状としては、物が歪んで見えたり、暗く見えたり、視力が急に低下することもある。

高齢者居住法

【意味】

高齢者居住法とは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の通称で高齢者向けの良質な住宅の供給を促進し、高齢者が安心して生活出来る居住環境を実現する為の法律である。

高齢者向けの住宅を供給する事業者の認定、賃貸住宅の基準の設定、融資や税法上の優遇、終⾝建物賃貸借制度の実施等を定める。

平成13 年(2001)施行され、平成23 年に一部改正され、「サービス付き高齢者向け住宅」の登録制度の創設や高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅などがサービス付き高齢者向け住宅に一元化された。

高齢者住宅改造賛助成事業

【意味】

高齢者住宅改造賛助成事業とは、高齢者の方の為に行う住宅改造(手摺、すべりどめ等)で工事費の2分の1が助成される。

工事費限度額は90万円で、⾝体が虚弱な65歳以上の方がいる所得税非課税世帯が対象。

介護保険で要支援・要介護の認定を受けた方は、介護保険の住宅改修制度の事前相談を行い、90万円から介護保険の住宅改修費を控除する。

高齢者住宅整備資金貸付制度

【意味】

高齢者住宅整備資金貸付制度とは、60 歳以上の高齢者と同居する者が、安心して住める住宅作りの為、所有する住宅を高齢者向けに増改築、改造するのに必要な資金の貸付を低利で行う制度。

実施主体は、都道府県又は市町村で、貸し付けの限度額や利率は国が一応の条件を設定され、実情に応じて定められる高齢者の住み替え支援制度50歳以上の高齢者の持ち家を、住み替え支援機構・JTIが、最⻑で終⾝に渡って借り上げ、賃料を保証してくれる仕組み。

シニア世代で住み替えを考える場合、収入を得る道の一つに、「持ち家を賃貸に出す」方法がある。

その際の賃料は相場よりも低めの設定になりますが、賃貸契約が無い時期においても、住み替え支援機構が、所定の最低保障賃料を一生涯支払ってくれるので、安定した収入が得られるメリットがあり、賃貸物件を借りたい人にとっても、良質な借家を敷金無しで借りられる等のメリットがある。

マイホーム借り上げ制度

【意味】

マイホーム借り上げ制度とは、50歳以上の人が所有する、一戸建て、或いはマンションが対象で、事前に建物診断を受ける必要があり、「終⾝型」「期間指定型」という2つの契約形態がある。

場合によれば、耐震補強等の工事が必要で、工事にかかる費用は実費負担となる。

リンク:一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI)

呼吸器機能障害

【意味】

呼吸器機能障害とは、呼吸器(上気道、気管・気管支、肺、胸膜等)に起こる疾患の総称。

肺疾患や肺手術などで機能に障害が生じると、⾝体活動に必要な酸素の取り込みと二酸化炭素の排泄が困難となる。

また、呼吸機能障害者は一般的に刺激ガス、冷気、乾燥の環境を避ける必要があり、風邪や肺炎に注意が必要。

国際障害者年

【意味】

国際障害者年とは、1981(昭和56)年に国連は、障害者の社会への「完全参加と平等」スローガンに国際障害者年と設定した。

続いて1982(昭和57)年の総会で「障害者に関する世界行動計画」を採択、1983年-1992年を「国連・障害者の十年」と定め、障害の予防とリハビリテーションの充実、社会参加の機会均等、 自立生活の実現等を推進した。

わが同の障害者福祉における環境整備もこれを機に大きく進展した。

リンク:内閣府 国際障害者年及び国連障害者の十年以降

国際障害分類

【意味】

国際障害分類とは、1980 年にWHO が国際疾病分類(ICD)の補助として制定した国際分類で、International Classification of Impairments、 Disabilities and Handicaps の日本語訳。

障害の構造をImpairments、 Disabilities and Handicaps の3つに分類して考察した点は画期的だが、マイナスの側面でしか障害を捉えていない等の問題点が指摘された。

その結果、2001 年5 月に障害に関する新たな分類として、新たにICF(国際生活機能分類)が採択された。

リンク:厚生労働省 国際生活機能分類-国際障害分類改訂版

国際生活機能分類

【意味】

国際生活機能分類とは、1980 年にWHO で制定された「ICIDH(国際障害分類)」の改訂版。ICF は、の略。

「ICF (International Classification of Functioning、 Disability and Health」」は2001 年に制定され、正式名称は「生活機能・障害・健康の国際分類」という。

障害に関する事や、健康に関する事等を、約1,500 の項目(正確には1424項目)に分類し、それらが複雑に絡み合って相互作用していると考えた。

リンク:厚生労働省 国際生活機能分類-国際障害分類改訂版

国際標準機構(ISO)

【意味】

国際標準化機構とは、「ISO(International Organization for Standardization)」またはその略称 である。

電気分野を除く工業分野の国際的な標準である国際規格を策定する為の⺠間の非政府組織で、スイス⺠法による非営利法人である。スイスのジュネーヴに本部があり、公用語はフランス語、英語、ロシア語などがあり、各国1機関が参加出来る。一般には、国際標準化機構が出版した国際規格 (IS) も、ISOと呼ばれる。

昨今、社会福祉法人がISO9001の認証制度を導入・活用し、主体的な経営の推進やサービスの向上を図ろうとする動きが目立ち始めている。

また厚生労働省の指導監査でもISO9001の導入を「法人の積極的な取組」として評価するようになっている。

社会福祉法人は、2年に一回の指導監査を受けますが、運営内容が良く、一定の条件をクリアした場合、4年に一回でよいというルールが作られました。そのルールの内の一つに「ISO9001の認証を取得している場合は、監査を4年に一回にできる」という要件が加えられることが決まり、2008年4月1日から適用されています。

国際標準化機構が出版した国際規格 (IS) も、一般にはISO と呼ぶ。

国連・障害者の十年

【意味】

国連・障害者の十年とは、1982 年に、「国際障害者年」の成果をもとに検討されてきた「障害者に関する世界行動計画」が総会で決議された。

1983 年から1992 年迄を「国連・障害者の十年」と宣言し、各国が計画的な課題解決に取り組む事となった。

リンク:内閣府 国際障害者年及び国連障害者の十年以降

腰かけ式便器

【意味】

腰かけ式便器とは、トイレ迄の移動ができても、立ち座りが困難な方に使用する福祉用具。

腰掛便座は、以下のタイプ分類がある。

①和式便器の上に置いて腰掛式に変換するもの

②洋式便器の上に置いて高さを補うもの

③電動式又はスプリング式で便座から立ち上がる際に補助出来る機能を有しているもの

④便座、バケツ等からなり、移動可能である便器等

があるが④は、主にベッドサイドで使用する福祉用具である。

骨折

【意味】

骨折とは、直接又は間接的に加わった強い外力で、本来、ひとかたまりな骨のつながりが途絶えてしまう状態。

完全に繋がりが絶たれる完全骨折と、部分的につながっている不全骨折とに分けられる。

骨粗鬆症

【意味】

骨粗鬆症とは、骨の組成は正常だが、骨量が減少し骨質が脆弱化している状態。

骨の変形や骨折を起こしやすく、高齢者、特に閉経後の女性に多く発症する。

治療には注射や服薬などがあり、骨密度の低下防止の為のウォーキングなども有効である。

骨導聴力

【意味】

骨導聴力とは、側頭骨に伝導レシーバーを装着することで、外耳や鼓膜を通らずに音の振動が骨を通って直接内耳に伝えられ、測定された聴力をいう。

気導聴力が低下していても骨導聴力が正常であれば、伝音系の障害による難聴で、気導聴力・骨導聴力が同じように低下していれば、障害の原因は感音系であることがわかる。

骨導型補聴器

【意味】

骨導型補聴器とは、外耳や鼓膜を通らず、音の振動が頭蓋骨から直接内耳へ伝えられて音が聞こえることを骨伝導という。

骨導型補聴器は、骨伝導を利用した補聴器で、本体やイヤホンを耳に入れず、骨導端子を耳の後ろ等に当てて、直接、頭蓋骨に振動を伝えて音を聞き取る。

めがね型のタイプや骨導端子をヘッドバンドで固定するタイプがあり、主に伝音難聴、混合難聴(感音系の機能低下が少ない)の場合に使用する。

固定式爪切り

【意味】

固定式爪切りとは、木の台に爪切りを固定して、指先を使わずに押して爪を切る事が出来るようにしたもの。

固定式歩行器

【意味】

固定式歩行器とは、フレーム全体が固定されており、持ち上げて前に置く事を繰り返しながら前進する歩行器。

固定式リフト

【意味】

固定式リフトとは、支柱を床面や壁面、ベッド等に固定して設置するリフト。

寝室や浴室など使用度が高い場合にすすめられるタイプで、他の方式のリフトに比べ上下方向の可動範囲が小さく、設置する場合にはあらかじめ確認が必要。

コミュニケーション・エイド

【意味】

コミュニケーション・エイドとは、音声でのコミュニケーションが出来ない方の為につくられた介護・福祉用具。

写真や絵、絵文字、文字、数字で作られたコミュニケーションカードやコミュニケーションボード、コミュニケーションブックや視線ボード、又筆談の為の筆記用具等を総称してローテク・エイドと呼ぶ。

これに対し、コンピュータシステムを使用してコミュニケーションをはかるシステムや、OCA(Voice output communication aids)と呼ばれる人工音声を使って相手に意志を伝える携帯可能な装置等のハイテク・エイドがある。

コミュニケーション・カード

【意味】

コミュニケーション・カードとは、音声でのコミュニケーションが出来ない方を補助する為のコミュニケーション・エイドのひとつ。

写真や絵、絵文字(シンボル)、文字や数字でコミュニケーションを図る。

コミュニケーション・ブック

【意味】

コミュニケーション・ブックとは、音声でのコミュニケーションが出来ない方の補助をする為のコミュニケーション・エイドのひとつ。

ボードに写真や絵、絵文字(シンボル)、文字や数字を記したコミュニケーション・ボードを何ページかに綴り本の形にしたもの。

コミュニケーション・ボード

【意味】

コミュニケーション・ボードとは、音声でのコミュニケーションが出来ない方の補助をする為のコミュニケーション・エイドのひとつ。

ボードに写真や絵、絵文字(シンボル)、文字や数字が記され、コミュニケーションを図る。