社会福祉 専門用語備忘録【あ】

社会福祉泉温用語あ

障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。

私は普段、社会福祉士として障がい者の相談支援業務を担当している相談員なのですが、日々の会議や同業者との間で交わす専門用語について、何となく使っているものの実は詳細までの把握は、ぼんやりだったりするモノも多くあります。お恥ずかしい話なのですが…。

それなので、改めて自分自身への備忘録として社会福祉専門用語を整理してみようと思いました。

また、この【障がい者生活】をお読みいただくうえで、専門用語について詳しくお知りになりたい方々にとっても役立てていただければ幸いでございます。

このページでは、社会福祉専門用語【あ】から始まる専門用語について解説して参ります。

IADL(アイエーディーエル)

【意味】

IADLとは、「Instrumental Activity of Daily Living」の略で、日常生活の基本動作ADL(日常生活動作)に関連した、買物・料理・掃除等の手段的日常生活動作の事である。

自分で何の薬でいつ飲むのかを把握できる薬の管理 、銀行手続きやお金の出し入れ等を自分で行えるお金の管理 、準備や手順などを把握して適切に活動できる趣味活動 、自分で運転したり公的機関を利用しての乗り物移動 、自分で番号を調べて電話をかける等の動作も含まれる、手段的日常生活動作のことをいいます。

ADLよりも一段階複雑な行動を指し、要支援および要介護の人の進行程度を窺い知るうえでの大切な手掛かりとなるので、IADLが低下していないかについて確認する、といったように使います。

ISO(アイエスオー)

【意味】

ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)、またはその略称である。

電気分野を除く工業分野の国際的な標準である国際規格を策定する為の⺠間の非政府組織で、スイス⺠法による非営利法人である。

スイスのジュネーヴに本部があり、公用語はフランス語、英語、ロシア語などがあり、各国1機関が参加出来る。

一般には、国際標準化機構が出版した国際規格 (IS) も、ISOと呼ばれる。

昨今、社会福祉法人がISO9001の認証制度を導入・活用し、主体的な経営の推進やサービスの向上を図ろうとする動きが目立ち始めている。

また厚生労働省の指導監査でもISO9001の導入を「法人の積極的な取組」として評価するようになっている。

社会福祉法人は、2年に一回の指導監査を受けますが、運営内容が良く、一定の条件をクリアした場合、4年に一回でよいというルールが作られました。そのルールの内の一つに「ISO9001の認証を取得している場合は、監査を4年に一回にできる」という要件が加えられることが決まり、2008年4月1日から適用されています。

IL運動(アイエルうんどう)

【意味】

IL運動とは=自立生活運動:Independent Living Movement

障害者は施設において管理される存在ではなく、自らの意志によって自立した生活を営む権利があるとの思想で、以下の4点が掲げられた。

(1)障害者は「施設収容」ではなく「地域」で生活すべきである。

(2)障害者は、治療を受けるべき患者でもないし、保護される子供でも、崇拝されるべき神でもない。

(3)障害者は援助を管理すべき立場にある。

(4)障害者は、「障害」そのものよりも社会の「偏見」の犠牲者になっている。

これまで障害者はリハビリテーションという名の元に、健常者にできるだけ近づくことを一生の目的として科されてきた。例えば衣服の着脱に2時間かけても他人の手を借りずにすることがリハビリテーションでは評価されたが、自立生活の思想においては、介助を受けることは恥ずかしいことでも主体性を損なうものでもなく、自らの意志によって選択し、決定することが重要であることが高らかに宣言されている。

1970年代のアメリカで、重度の障害者が親元などから離れて自立した生活を送り、社会参加をする運動として展開された。重度障害者の自立運動に大きな影響を与えた他、リハビリテーションの目標をADLの向上からQOLの向上へと変換させる事にも寄与した。

ICF(アイシーエフ)

【意味】

ICF( Interna tional Classification of Functioning 、Disability and Health )とは、人間の生活機能と障害の分類法して、2001年5月、世界保健機関(WHO)総会において採択された。

特徴は、これ迄のWHO国際障害分類(ICIDH)がマイナス面を分類すると いう考え方が中心であったのに対し、ICFは生活機能というプラス面からみるように視点を転換し、さらに環境因子等の観点を加えた 事である。

ICD(アイシーディー)

【意味】

ICDとは、国際疾病分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)の略称で、疾病及び関連保健問題の国際統計分類のことを指す。

世界保健機関憲章に基づいて、世界保健機関(WHO)が作成した分類で、異なる国や地域などから、集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録や分析、解釈及び比較を行う為に1990 年の第43 回世界保健総会において採択されたものが、最新の分類で、ICD-10 と呼ばれている。

現在の日本では、一部改正の勧告であるICD-10(2003)に準拠した「疾病、傷害及び死因分類」を作成し、統計法に基づく統計調査に使用される他にも、医学的分類として医療機関における診療録の管理等にも活用されている。

アイデンティティ

【意味】

アイデンティティ(identity)とは、自己同一性主体、または自立(自律)性のことを指し、「自分とは何か」を見つけだす過程の心の動きと、その答えのことをいう。

他には、日常生活を送る中で、自分自⾝が変化・成⻑しながらも、真の自分は不変であるという感覚のことも指す。

「自分とは何か」を見つけだす過程の心動きそ答。 

心理学用語ですが、社会福祉の現場ではその方の生活歴を経て築きあげられた個性、という意味でidentity(アイデンティティ)を使います。

アカウンタビリティ

【意味】

アカウンタビリティ(accountability)とは、もともとは会計上の用語ですが、自らの活動の内容について、政府や地方公共団体による行政活動全般に対して、国⺠に説明を行う責任のことをいい、行政や医療、教育など、さまざまな場面で使われるようになった。

アカウンタビリティを日本語にする場合、「説明責任」や「説明義務」と訳すことが多い。

2000年4月に介護保険制度が導入後、アカウンタビリティをめぐる論議は、行政だけでなく、介護サービスに市場参入した⺠間事業者に対しても求められることになった。

アカウンタビリティには、自分がしたことや本来すべきことを怠ったために生じた結果に対して、自ら「責任を負う」「代償を払う」といった意味合いがある。

アクション・リサーチ

【意味】

アクション・リサーチ(action research)とは、実践活動とその効果を客観的に分析・評価し、実践活動の改善を行う調査研究方法で、社会福祉調査法の一つである。

実践方法の質・量を分析し、問題点をあげて、より有効な実践方法の開発に結びつくとされている。

アメリカの社会心理学者レヴィン(Lewin.K)が、先駆者にあげられる。

アクティビティケア

【意味】

アクティビティケアとは、認知高齢者に対して行うことで前向きな気持ちに導く精神療法的ケアをいう。

ゲームや音楽療法等の活性化プログラム、時計やカレンダーを置く環境調整や回想法等の訓練療法を主とする。

その他には、アニマルセラピーや絵画、演劇療法等のメニューも利用される。

明るさ感知式スイッチ・人感スイッチ

【意味】

明るさ感知スイッチ、人感スイッチとは、センサーが周囲の明るさや、人が近づいたり離れたりすることを感知することにより、消灯や点灯する装置。

これにより照明の消し忘れをなくして、電気代を節約する事も出来る。

高齢により夜盲(やもう)や、白内障などによって夜間でも明るい住環境を作ることが転倒防止にもつながるが、節電に配慮しながら安全も確保できる商品として近代住宅では一般的に広く普及している。

アジア太平洋 障害者の十年

【意味】

アジア太平洋障害者の十年とは、1992年4月、北京で開催された第48回総会で、国連アジア太平洋経済社会委員会が採択した決議で、国際連合が設定した「障害者の十年」(1983∼92年)の最終年のあたる。

これ以降、アジア太平洋地域で障害者に対する世界行動計画の実施に向け、当該地域内の協力を強化するなどとされ、「新・アジア太平洋障害者の十年(2003∼12年)」に引き継がれた。

関連リンク 内閣府:アジア太平洋障害者の十年

アセスメント

【意味】

アセスメントとは、福祉分野においては、クライエント(相談者・利用者)に関する情報を収集および分析し、自立した日常生活を営むために解決すべき課題を把握することを指す。

障害者特定相談支援事業所の相談支援専門員が作成するサービス等利用計画や、介護保険居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成するケアプランにおいて、利用者の心⾝状態や生活環境をしっかり把握することで、本人やその家族等が求める事を理解する為に行われる。

①インテーク(受付・受理)↓

②アセスメント(面談・情報収集)↓

③プランニング(サービス等利用計画やケアプランなど)↓

④インターベンション(介入・サービス提供)↓

⑤モニタリング(評価・確認)↓

⑤の次に③に戻って再プランニングとなるか

⑥エヴァリュエーション(事後評価)

⑦ターミネーション(終結)

という一連の流れの②番目。

アドボカシ―

【意味】

アドボカシーとは、自己の権利やニーズを自分自身で表明することが困難な、知的障害者や、重度の精神障害者や、認知症の高齢者などの方に代わり、代弁者(アドボケイト)が権利を代弁することをいう。

アドボカシーとは、このように当事者の権利主張を代弁者が代弁するということを意味している。

アプローチ

【意味】

アプローチとは、特定場所に到達する為の移動動線を指す。

道路から建築物への通路、住宅団地への進入路、地域や施設への導入交通路も含まれる。

住宅計画では、道路等から住宅の出入り口に至る空間のことをいう。

福祉的には、居宅や居所内において障害や加齢による困難を、アプローチを見直したりアプローチにある障壁を改修することによって、その方の生活の利便性を図る。

あんしん賃貸住宅

【意味】

あんしん賃貸住宅とは、高齢者・障害者・外国人・子育て世帯(以下、高齢者等)のいずれかひとつ以上の世帯入居を受け入れる⺠間の賃貸住宅をいう。

入居対象者は、⺠間賃貸住宅の家賃を安定して支払え、地域社会の中で自立した日常生活を営む事が出来ることが条件となる。

あんしん賃貸住宅の情報は、インターネットでも入手でき、支援団体等の入居時の契約手続きの立会いや通訳住遣や入居後の電話相談等の支援もあり、安心して入居することが可能である。