障害福祉サービスを使うなら!【重度障害者等包括支援】編

事故、怪我、病気などが原因でその後の人生が困ったら…

身体・知的・精神の障がいが障害者手帳や難病認定という形で認められたら、生活の困難から少しでも脱するために、障害福祉サービスを利用してみましょう!

障害福祉サービス利用申請については「事故・怪我・病気などが原因でその後の生活に困ったら」をご覧ください。

障害福祉サービス【重度障害者等包括支援】概要

サービス内容

常時介護を必要とする障がい者等であり、意思疎通を図ることが著しく支障がある方のうち、四肢麻痺および寝たきりの状態にある方で、知的障害または精神障害により行動上著しい困難を有する方に対して、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、生活介護、短期入所、共同生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援を包括的に提供する障害福祉サービスです。

対象者

障害支援区分が区分6(障害児にあっては区分6に相当する心身の状態)に該当する者のうち、意思疎通に著しい困難を有する者であって、以下のいずれかに該当する者とします。

類型 状態像
重度訪問介護の対象であって、四肢すべてに麻痺等があり、寝たきり状態にある障害者のうち、右のいずれかに該当する者 人工呼吸器による呼吸管理を行ってい
る身体障害者        Ⅰ類型
・筋ジストロフィー
・脊椎損傷 ・ALS
・遷延性意識障害 等
最重度知的障害者      Ⅱ類型 ・重症心身障害者 等
障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目(12項目)等の合計点数が10点以上である者          Ⅲ類型 ・強度行動障害 等

◆Ⅰ類型

(1) 障害支援区分6の「重度訪問介護」対象者であって

(2) 医師意見書の「2.身体の状態に関する意見」中の「(3)麻痺」における「左上肢 右上肢 左下肢 右下肢」において、いずれも「ある」に認定(軽、中、重のいずれかにチェックされていること)

(3) 認定調査項目「1群 起居動作 寝返り」において「全面的な支援が必要」と認定

(4) 認定調査項目「10 群 特別な医療 レスピレーター」において「ある」と認定

(5) 認定調査項目「6 群 認知機能 コミュニケーション」において「日常生活に支障がない」以外に認定

◆Ⅱ類型

(1) 概況調査において知的障害の程度が「最重度」と確認

(2) 障害支援区分6の「重度訪問介護」対象者であって

(3) 医師意見書の「2.身体の状態に関する意見」中の「(3)麻痺」における「左上肢 右上肢 左下肢 右下肢」において、いずれも「ある」に認定(軽、中、重のいずれかにチェックされていること)

(4) 認定調査項目「1群 起居動作 寝返り」において「全面的な支援が必要」と認定

(5) 認定調査項目「6 群 認知機能 コミュニケーション」において「日常生活に支障がない」以外に認定

◆Ⅲ類型

(1) 障害支援区分6の「行動援護」対象者であって

(2) 認定調査項目「6 群 認知機能 コミュニケーション」において「日常生活に支障がない」以外に認定

(3) 「行動援護項目得点」が「10 点以上」と認定

基準支給量

ア 重度障害者等包括支援の支給決定を受ける場合

障害支援区分区分 月利用単位数(単位/月)
区分6
(介護保険併用)
102,900
70,176
85,750
58,480
68,600
46,784

イ 重度訪問介護の支給決定を受ける場合

障害支援区分区分 月利用単位数(単位/月)
区分6
(介護保険併用)
400
244
333
203
267
163

詳細はお住まいの市町村役場内にある、福祉事務所窓口へお問い合わせください。

支給期間

1年の範囲内で、月を単位として市町村が認める期間(申請を行うことで更新が可能となります。)

利用者負担

基本的に1割負担。(利用者及び配偶者の所得状況に応じ、利用者負担上限月額が設定される。児童は、保護者の属する世帯の所得状況を勘案し上限月額を決定します。)

留意事項

・重度障害者等包括支援は、障害福祉サービスを包括的に提供するものであるので、他の障害福祉サービスとの併給はできません。

・比較的特殊な障害福祉サービスなので、お住まいの市町村内に重度障害者等包括支援を提供する事業所はない場合もあります。

・詳細はお住まいの市町村役場内にある、福祉事務所窓口へお問い合わせください。

平成30年度からの改訂

平成30年4月より以下の項目について変更となります。

厚生労働省:平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要.pdf より

基本報酬の見直し

① 基本報酬の見直し

・ 短期入所及び共同生活援助の報酬の見直しに伴い、重度障害者等包括
支援の中で提供する短期入所及び共同生活援助の報酬を見直す。

・ 他の障害福祉サービスの報酬算定の考え方を踏まえ、以下の報酬算定
の取扱いを廃止する。

イ 提供したサービスの実績単位数が支給決定単位数の100分の95を超
える場合 支給決定単位数とする。

ロ 提供したサービスの実績単位数が支給決定単位数の100分の95を超
えない場合 実績単位数の95分の100を乗じて得た単位数とする。

・ 重度障害者等包括支援の中で提供する障害福祉サービスに、自立生活
援助及び就労定着支援を追加する。

→「障害福祉サービス等の基本報酬の見直しについて」(別紙1)参照

加算の見直し

② 加算の見直し

・ 重度障害者等包括支援の中で短期入所又は共同生活援助を提供した場
合、個別に短期入所又は共同生活援助を提供したときに算定できる加算
の一部を算定できることとする。

≪算定できる加算の見直し≫

 

重度障害者等包括支援としてサービスを提供したときに算定できる加算
は以下のとおりとする。なお、算定要件は基本的には各サービスの要件のと
おりとする。

 

[現 行]

 

・ 早朝、夜間、深夜に支援した場合の加算(居宅介護、重度訪問介護、
同行援護、行動援護、生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継
続支援(以下「生活介護等」という。)において算定可能)
・ 特別地域加算(生活介護等において算定可能)
・ 喀痰吸引等支援体制加算(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行
動援護(以下「居宅介護等」という。)において算定可能)
・ 利用者負担が「一般1世帯」以下の者に支援した場合の加算(短期
入所において算定可能)
・ 福祉・介護職員処遇改善加算
・ 福祉・介護職員処遇改善特別加算

 

[見直し後]

 

・ 2人の従業者による場合(居宅介護等において算定可能)
・ 早朝、夜間、深夜に支援した場合の加算(生活介護等、自立生活援
助又は就労定着支援において算定可能)
・ 特別地域加算(生活介護等、自立生活援助又は就労定着支援におい
て算定可能)
・ 喀痰吸引等支援体制加算(居宅介護等において算定可能)
・ 利用者負担が「一般1世帯」以下の者に支援した場合の加算(短期
入所において算定可能)
・ 医療連携体制加算(短期入所又は共同生活援助において算定可能)
・ 地域生活移行個別支援特別加算(共同生活援助において算定可能)
・ 精神障害者地域移行特別加算(共同生活援助において算定可能)
・ 強度行動障害者地域移行特別加算(共同生活援助において算定可能)
・ 送迎加算(短期入所において算定可能)

・ 初回加算
・ 福祉・介護職員処遇改善加算
・ 福祉・介護職員処遇改善特別加算

サービス提供責任者の要件の緩和

③ サービス提供責任者の要件の緩和

・ 相談支援事業所の相談支援専門員との兼任を可能とするため、サービ
ス提供責任者の専任要件を廃止する。

≪サービス提供責任者の配置基準の見直し≫

 

[現 行]

サービス提供責任者のうち、1人以上は、専任かつ常勤でなければなら
ない。

 

[見直し後]

サービス提供責任者のうち、1人以上は、常勤でなければならない。

重度障害者等包括支援サービス利用計画の作成に係る見直し

④ 重度障害者等包括支援サービス利用計画の作成に係る見直し

・ 障害福祉サービス間の総合的なマネジメントは計画相談支援が担うこ
とから、重度障害者等包括支援サービス利用計画は、居宅介護計画等や
個別支援計画と同様の位置付けとすることとし、名称、内容及び作成過
程を見直す。

≪重度障害者等包括支援サービス利用計画の作成に係る運営基準の見直し≫

 

[現 行]

 

・名 称:重度障害者等包括支援サービス利用計画
・内 容:具体的なサービスの内容等
・作成過程:サービス利用計画の原案に位置づけた障害福祉サービスの
担当者を招集して行う「サービス担当者会議」を開催する。

 

[見直し後]

 

・名 称:重度障害者等包括支援計画
・内 容:具体的なサービスの内容等(利用者の状態等により発生す
るニーズに応じて柔軟な支援の具体的な提供体制や提供方
法等を含む。)
・作成過程:重度障害者等包括支援としての「サービス担当者会議」の
開催は任意とする。
・そ の 他:原則、作成はサービス等利用計画を作成した者と同一の者
であってはならない。

参考資料:障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編(中央法規出版)
参考資料:厚生労働省>平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

関連書籍など

 

セイタロウ

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