障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。
私は、頸髄損傷C6四肢麻痺という比較的重度な身体障害がある手動車いすユーザーです。
普段は障害のある方々の支援をする某障害者生活支援センターに勤務して相談支援業務を行っておりますが、そういった日々の業務経験を積み重ねるうちに、いつしか社会保障制度や社会福祉全般に詳しくなり、気が付けば社会福祉士という資格も取得することが出来ました。
そんな私セイタロウですが、そういった仕事を通じて身体、知的、精神という障がいがある方々と交流を深めたり支援をさせていただくなかで、障がい者の生活について今まで以上に興味と関心を持つようになり、障がいがある身体でも使える制度などについても日々情報集に心がけ、一人でも多くの方の助けになるように努めております。
とはいっても、何よりそういった情報は自分が一番に恩恵にあずかれるので、自然と注目して知識を増やしている…といった方が正しいかもしれません(笑)
私の詳しいプロフィール については、ご興味があれば以下をご覧ください。
参考
セイタロウのプロフィール障がい者生活管理人&著者セイタロウの自己紹介
さてそんな中、今回は総務省で行っている「郵便等で行える不在者投票」に注目してこの記事を作成してみました。
勿論、車いすユーザーで、四肢麻痺がある頸髄損傷者の私にとっても利用しやすい制度なので、個人的にも大変興味深い制度です。
さて、2019年8月現在、18歳以上の国民に与えられる選挙権ですが、いまさら誰にも聞けないについて、ここで改めておさらいしてみます。
私達は、誕生日を迎えて満18歳になると、暮らしている地域などのみんなの代表を選挙で選ぶことのできる権利が与えられます。
この権利を「選挙権」(せんきょけん)といいます。
そして、その後ある年齢(出る選挙によって異なる年齢)になると、今度は選挙に出て(出馬ともいいます)、暮らしている地域のみんなの代表になる資格を得ることができます。
この権利を「被選挙権」(ひせんきょけん)といいます。
どちらも、私達みんなが、暮らしている地域や日本国がよりよい社会になるように、様々な制度(ルール)づくりに参加できるように定められた、大切な権利です。
選挙権を持つためには、必ず備えていなければならない条件(積極的要件・せっきょくてきようけん)がありますが、その条件にひとつでも当てはまった場合は、逆に選挙権を失う条件(消極的要件・しょうきょくてきようけん)があります。
1.禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者
2.禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)
3.公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられ、実刑期間経過後5年間(被選挙権は10年間)を経過しない者。または刑の執行猶予中の者
4.選挙に関する犯罪で禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行猶予中の者
5.公職選挙法等に定める選挙に関する犯罪により、選挙権、被選挙権が停止されている者
6.政治資金規正法に定める犯罪により選挙権、 被選挙権が停止されている者
被選挙権は、暮らしている地域などのみんなの代表として国会議員や、都道府県知事や、都道府県議会議員や、市区町村長や、市区町村議会議員に就くことのできる権利です。
ただし、一定の資格があり、それを持つには次の条件を備えていることが必要です。
また、被選挙権を失う条件は、選挙権の消極的要件と同様です。
※被選挙権要件については、投票日当日の年齢となります。
さて、ようやく本題の【郵便等による不在者投票】に関するご紹介をさせていただきます。
この制度は、選挙の投票を行う際に、通常の投票日に選挙管理委員会が指定した投票所に行くことが出来ないお体が不自由な方を対象に、郵便等で不在者投票が行えるように定めた制度です。
ちなみに、多くの場合は学校や公民館などが投票所であり、そのような場所は未だにバリアフリーになっていない場所も多く、選挙の度にべニア板などで一時的なスロープを作るなどして、かろうじて車いすを使用する方が投票できるようにしてあります。(勿論、バリアフリーが整っている施設も多くありますが、日本全国すべてがバリアフリーが整っている場所ばかりではありません。)
また、期日前投票所もしかりで、日本全国すべてがバリアフリーが整っている場所ばかりではありません。
そういったことを前提として、郵送等でも不在者投票を対応できるように、この制度が設けられたと個人的にはそのように捉えています。
いずれにしても、障害があろうと国民の権利である清き一票を行使するために、このような制度を設けていただけることは、大変ありがたいことだと思っています。
それでは、どのような方がこの制度の対象となるのか、詳しく記載してみます。
また、上記に方以外に、身体障害者手帳および戦傷病者手帳交付台帳を備える都道府県知事、もしくは指定都市もしくは中核市の長により書面で証明された方、という方々も本制度利用可能なようですが、詳しくはお住いの市区町村の選挙管理委員会へお問い合わせ下さい。
次に、実際どのようにして「郵便等による不在者投票」が行えるのかご説明申し上げます。
まずは、「郵便等投票証明書」の申請が必要となります。
これを発行してもらわないと、「郵便等による不在者投票」が行えません。
以上が「郵便等投票証明書」の手続き手順です。
ちなみに、「郵便等投票証明書」の申請書は市区町村のホームページからダウンロードできる場合があるので、詳しくはお住いの市区町村ホームページをご覧ください。
ここまでは、選挙公示日前に準備しておくと、その後の郵便等不在者投票も余裕をもって行うことが出来ます。
次に、「郵便等による不在者投票」の投票手続きについて説明申し上げます。
実際に投票を行うには、市区町村の選挙管理委員会に投票用紙・投票用封筒の請求を行う必要がありますが、選挙公示日が近づくと、投票用紙・投票用封筒の請求を行う請求書がご自宅等へ送られてきます。
送られてこない場合は、市区町村の選挙管理委員会へ連絡してお問い合わせください。
以上が「郵便等による不在者投票」となります。
また、上肢機能障害や視覚障害により自署が困難な方は、以下の項目をご覧ください。
上記項目では、「郵便等による不在者投票」について自署可能な方について紹介しましたが、この「郵便等による不在者投票」には「代理記載制度」(いわゆる代筆です)もあるので、以降そちらの制度もご紹介申し上げます。
こちらの「代理記載制度」をされる方にも、「郵便等投票証明書」の申請は必要となります。
「郵便等投票証明書」の申請は先程と一緒です。
以上が「郵便等投票証明書」の手続き手順です。
代理記載の方法による投票を行うためには、前述の「郵便等投票証明書」の交付申請の手続きに加え、次の①と②の手続きを行う必要があります。①と②の手続きは、同時に行うことができます。
また、代理記載の方法による投票手続きは③のようになります。
ちなみに、代理記載制度による代理記載人が不正を行った場合、以下のような罰則があるので、くれぐれもご注意ください。
代理記載人が選挙人の指示する候補者名を記載しなかった等の場合には、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処せられます。
以上が、「代理記載制度」による「郵便等による不在者投票」の説明となります。
ご不明な点は、お住いの市区町村の選挙管理委員会へ、直接お問い合わせ下さい。
参考サイト:総務省 投票制度 http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/touhyou/yuubin/yuubin01.html
さて、【郵便等で行える不在者投票】についてブログを更新してみましたが、このような制度を活用すことによって、不在者投票所へも行くことが困難な方々の清き一票が、無駄になることがなくなることを願うばかりです。
令和の時代になってから、重度障害者の国会議員も誕生して、ようやく障害があっても社会の一員として存在を主張できるような世の中になりつつあるように感じます。
改めてこの「郵便等で行える不在者投票」について整理すると、1級~2級、障害によっては3級の方がこの「郵便等で行える不在者投票」を利用することが可能で、上肢や視覚障害がある方は特定の代理記載人の代署によって「郵便等で行える不在者投票」が行えることが解りました。
もう少し時代が進めば、インターネットを利用した投票も出来るようになるとは思いますが、そのような制度ができるまでは、この制度を活用していきたいと思います。
こんな内容の情報照会でしたがいかがでしたでしょうか。
このような内容でも、どこかでどなたかのお役に立つ情報となっていたら、とても嬉しいです。
今後、また新たな有効な制度をを見つけたら、このように情報を発信させていこうと考えております。
最後までご覧いただきありがとうございました。セイタロウ
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