【障がい者・映画コラム】シェイプ・オブ・ウォーター

【障がい者・映画コラム】シェイプ・オブ・ウォーター01

障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。

私は、頸髄損傷(受傷部位:C6)四肢麻痺という比較的重度な身体障害がある手動車いすユーザー です。

普段は障害のある方々の支援をする某障害者生活支援センターに勤務して相談支援業務を行っておりますが、そういった日々の業務経験を積み重ねるうちに、いつしか社会保障制度や社会福祉全般に詳しくなり、気が付けば社会福祉士という資格も取得することが出来ました。

そんな私セイタロウですが、そういった仕事を通じて身体、知的、精神という障がいがある方々と交流を深めたり支援をさせていただくなかで、障がい者の生活について今まで以上に興味と関心を持つようになりました。


参考
セイタロウのプロフィール障がい者生活管理人&著者セイタロウの自己紹介

プロフィールにも好きな映画について触れていますが、私は大の映画好きです。

映画については特にSFが好きなのですが、ここ数年は自分の仕事で関わるようになった、さまざまな障がいがある方々をテーマとして取り入れたり、出演者として参加されている映画作品にも興味を持つようになりました。

そこで、この【障がい者・映画コラム】のコーナーでは、そのような映画作品を車椅子社会福祉士である私セイタロウが独自の切り口で解説しつつ、紹介していこうと考えております。

こういった映画作品にご興味がある方やない方にとっても、新たな作品の捉え方としてご興味ご関心を持っていただけるような情報発信していきたい所存でございます。

シェイプ・オブ・ウォーター 詳細データ

さて、記念すべきこの【障がい者・映画コラム】コーナーの第1回紹介作品は、『シェイプ・オブ・ウォーター』です。

作品名:シェイプ・オブ・ウォーター[英語:The Shape of Water]

監 督:ギレルモ・デル・トロ(メキシコ出身・映画監督・プロデューサー・脚本家・小説家)

受賞歴:第74回ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞 ・ 第75回ゴールデングローブ賞 監督賞 ・ 第90回アカデミー賞 作品賞 監督賞 他

主な登場人物

・イライザ:政府の特殊機関で掃除婦として働く女性で音声機能障害があり発生できずコミュニケーションは手話か筆談

・ジャイルズ:イライザの住むアパートの隣人および友人で売れない絵描きでありゲイであり社会になじめず必死に自分の居場所を模索している

・半魚人:ジャングルの奥底で発見された謎の生物であるが不思議な魅力があり関わる人々を引き付ける

その他、イライザが勤める政府特殊機関の差別的で高圧的な管理者や、そこに勤める科学者でありながら政治的スパイ活動を隠れて行っている博士など、社会に抑圧されながら直向きに生きている者達が多く登場する映画です。

そういったマイノリティーの『生きる』にフォーカスを当て、どんな人にとっても生きる意味と役割があるといったテーマに沿って、物語が繰り広げられている映画作品です。

ハリウッド映画といえば、世の中の中心的な存在にフォーカスを充てる作品がもてはやされるといった印象が強いのですが、このデル・トロ監督は幼少の頃にいじめに遭って引きこもっていた経験があることから、社会からの抑圧に耐えながらひっそりと暮らす人々の情緒を絶妙に捉えることに長けているので、このようなマイノリティーにフォーカスを当てた作品でも素敵な作品に仕上げることができるのでしょう。

社会福祉士である私からしてみても、障がいがあったり、性的マイノリティーであったり、社会に馴染めないながらも必死に生きる人々の描写が大変巧妙で、それなのに映画作品としてエンターテイメントも高いレベルで成立しているという、大変素晴らしい映画作品であると思います。

以下は20世紀フォックス公式ページで紹介されている作品紹介動画です。

シェイプ・オブ・ウォーター 劇中の見どころ

この「シェイプ・オブ・ウォーター」の見どころとして、あまり多くを書くとネタバレになってしまうので書きませんが、それでもあえて挙げるとしたら、イライザが示すあるセリフがこの作品の主たるメッセージを象徴しているようで、大変印象的であり、また感動するポイントでもあります。

そのセリフとは…

「彼は不完全な私ではなく ありのままの私を見てくれる」

「 彼を助けなければ 私たちも人間じゃないわ」

これは社会に馴染めず、抑圧されながらもひっそりと力強く生きるマイノリティー達へ目を向けてほしいという、デル・トロ監督からの社会全体に対するメッセージであり、私たち一人一人が何のために生きているのか?というもの対して、強烈なメッセージであると私は感じました。

これは、昨今の国連でも謳われているような『持続可能な共生社会の実現』にも合致するメッセージでもあり、アカデミー賞をはじめとする名立たる映画の祭典で受傷して称賛されたのも、そういった強いメッセージが伝わったからこその結果なのだと私は感じています。

作品のカテゴリーは、SFファンタジーとのことですが、一部セクシーな場面もあるので、未成年の視聴には配慮が必要な作品です。

予告編↓

ギレルモ・デル・トロ監督 作品紹介

ミミック

ブレイド2

ヘルボーイ シリーズ

パシフィックリム

まとめ

以上がギレルモ・デル・トロ監督作品の「シェイプ・オブ・ウォーター」に関する感想および紹介となりましたが、監督の昔の「いじめられっ子」というエピソードが、後にこんなに活躍される映画監督として成功を収めるなんて、人生何が起こるかわからないものですね。

やはり、人生において無駄な経験など何一つないという事ですね。

この「シェイプ・オブ・ウォーター」に関しては、まったくの個人的見解に基づいて書いていますが、この映画に少しでもご興味を抱いていただけたなら幸いでございます。

このような記事としてまとめてみましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事をお読みくださった皆様は、どのようにお感じになられたでしょうか…。

障がいがあっても、生きづらさがあっても、生きる意味はきっとあります。

このような内容でしたが、いつか、どこかで、どなたかのお役に立てる内容であったら嬉しく思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

セイタロウ