障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。
私は、頸髄損傷C6四肢麻痺という比較的重度な身体障害がある手動車いすユーザーなので、やはり福祉機器や、福祉機器とカテゴライズしていなくても、障がいがある身体で使いやすそうな機器やグッツを見つけると、ついつい注目してしまいます。
というのも実はその昔、ユニバーサルデザインに関する商品開発やデザインをする仕事もしていたんです。詳しくはプロフィール をご覧いただければと思いますが、そういった理由から自分が考えることも好きなんですが、それを見て想像を膨らませるのも大好きで、とにかく障がいがあってもなくても生活を便利にする物は大好物!
参考
セイタロウのプロフィール障がい者生活管理人&著者セイタロウの自己紹介
だから、「福祉機器」、「バリアフリー」、「ユニバーサルデザイン」、「便利グッツ」、「アイディア商品」等といったキーワードを見つけると、ついつい目が行ってしまうのです。
そんな中、今回は「手動運転装置」(ハンドコントローラー)に注目してみました。
手動運転装置とは?
「手動装置」とは、足が不自由な車いすユーザーなどが自動車を運転する際に、通常の健常者は足で操作するアクセルとブレーキを、手動運転装置という装置を使って片手でアクセルブレーキを操作する機器のことですが、自動車を運転することが出来て自家用車を所有する車いすユーザーは、それを自分の車に装着して運転ます。
上記MEMOでも記載した通り、車いすユーザーが自動車を運転する際には手動運転装置なくしては運転できない訳ですが、その手動運転装置にも様々なタイプやメーカーがございます。
手動運転装置には大きく分けて3タイプあるので、順に特徴を記載します。
固定式タイプの手動運転装置の特徴は、個別の車専用にサイズが簿妙に異なり、車種専用設計および設置する運転装置です。車の買い替えの際には、また違う手動運転装置の購入が必要となります。
固定式タイプは値段も設置料金も高価ですが、障がいが重度でも自動車運転を諦めずに出来る点が魅力です。
固定式タイプの手動運転装置は、最近、トヨタ、日産、ホンダ、マツダなどのメーカーが自社の車に取り付けられるオリジナルの手動運転装置をオプション選択できるようになったほど、車いすユーザーの自動車運転環境は整えられてきましたが、それはあくまでも上肢(腕二肢)に麻痺がない車いすユーザー限定の場合です。
しかし実際には、車いすユーザードライバーの個々の障がいに合わせて細かくオプション選択が可能な、後付の固定式タイプの手動運転装置専門メーカーの装置を選択する方が、まだまだ多いように感じます。
ちなみに、私セイタロウも自動車を運転する車いすユーザーなのですが、私の場合は頸髄損傷(受傷部位:C6)で四肢(足二肢と腕二肢)運動機能障害があり、手指運動機能が全廃(手のひらや指を動かす運動神経が麻痺)のため握力がないので、障がいに合わせて細かくオプション選択が可能な、後付の固定式タイプ手動運転装置専門メーカーの手動運転装置しか使用することはできません。
上記写真は私が使用している「株式会社 ミクニ ライフ&オート」のAPドライブ「AP80シリーズ」です。
出典:http://www.nissin-apd.co.jp/products/hand_drv/
リンク:株式会社 ミクニ ライフ&オート (旧:株式会社ニッシン自動車工業)
上記のタイプと他の機器諸々で20万円代後半ほどかかりましたが、設置には各市町で補助制度があるので設置の一部を補助金で賄うことが出来ます。詳しくはお住まいの地域役場内にある福祉事務所へお問い合わせください。
その他の固定式タイプ手動運転装置メーカー
リンク:有限会社 フジオート
リンク:株式会社 ジー・エス・ティー
汎用式タイプの手動運転装置の特徴は、固定式タイプのように車種ごとの専用設計品ではなく、さらに固定式タイプのようなブレーキロックやウインカー機能はありませんが、多種多様な車種に固定して設置することが出来るので、一度購入すれば、たとえ車を乗り換えても本体はそのまま流用することが出来ます。(一部アタッチメント部品の購入などは必要なようです)
固定式タイプより機能を限定した分、安価に購入設置できるところが魅力です。
901 ハンドコントロール [Automobility 901 Handcontrol-System]
国内外の様々な車種に対応し、世界標準の安全性を持つ、移設可能な手動運転装置「オートモビリティ 901 ハンドコントロールシステム」 のご紹介です。
今お使いのお車はもちろん、これから購入される新車や中古車でも、この901 ハンドコントロールシステムを取り付けすると、左上肢だけでアクセルとブレーキの操作が可能となります♪
世界各国で「THE BEST QUICKATTACHMENT HANDCONTROL SYSTEM」(最高の着脱式の手動運転装置)と称賛され愛用され続けるこの素晴らしい手動運転装置を是非ともご検討ください♪
出典(リンク):有限会社イフ【901 ハンドコントロール】
簡易式タイプの手動運転装置の特徴は、ズバリ携帯性です。固定式や汎用式のような安定感はありませんが、簡易式最大のメリットは取り付け取り外しが簡単で、携帯性にも優れているので、旅行先へ出かけた際にレンタカーにも取り付けることが出来るのです。
安定性や操作性は、固定式タイプ>汎用式タイプ>簡易式タイプとなりますが、機能を最小限に留めることによって、他のタイプと比べて抜群に携帯性に優れていることが最大の魅力です。
簡易手動運転装置
「簡易手動運転装置」とは、簡単に取り付け取り外しが出来、手動でアクセルブレーキを操作する運転補助装置です。
ところが、一般的にはそういった手動運転装置は取り外しが簡単に出来ないのです。だから、車いすユーザーが自分で所有する自分の車を車検や修理に出すことによって台車を借り受けたり、旅先などでレンタカーを運転したい時には、所有する手動運転装置を簡単に取り外して装脱着することが出来ず、途端に交通弱者となってしまいます。
そこで近年そういった交通弱者をなくすために、簡単に取り付け取り外しが出来る「簡易手動装置」なる商品が続々と販売されるようになりました。
SWORD紹介動画
カーシェアという新発想。自動車の改造が不要!
・手動運転装置を装着した自分の専用車以外を運転したい
・家族のセカンドカー、社有車、レンタカーなど、下肢障がいの方と健常者の方が、同じ車をシェアできないか
・車の改造が必要なく、必要なときに自分で容易に着脱できる運転補助装置が欲しい
出典(リンク):今野製作所【SWORD(ソード)】
ニコ・ドライブ紹介動画
自動車のアクセルとブレーキを手で簡単に操作できるようになりました。クルマの試乗や代車、旅行先でレンタカーを借りる時、免許取得時の教習車にも安全に着脱できるハンドコントロール。あなたの行動範囲を格段に広げてくれます。
出典(リンク):ニコ・ドライブ【ハンドコントロール】
簡易式タイプはそれ以外にも海外製品なども多くあるようです。海外製品やそのほか良い製品が発売されたら、また追記してみたいと思います。
さて、手動運転装置については上記で紹介させていただいた通りですが、アクセルとブレーキの問題で解決できても運転はハンドル操作も重要ですよね。
手の握力に問題のない車いすユーザーには、ハンドル旋回装置(ハンドルスピンナー)など使用しない方も多いようですが、やはりこれはないよりあった方が便利です。
ただし、上記で紹介したメーカーで販売されているものはどれも高額。
もちろん機能的に高額な物でなければ使用できない方は仕方なくそれを購入しますが、安くて良い物ではればやはり心動くのが全うな人間なんじゃないのでしょうか(笑)
さらに、取り付けや取り外しも簡単であれば、もう言うことなし!
私、色々なサイトを散策していたらこんな商品を見つけました。
お値段もお手頃なので、ためしに購入するにしてもちょうど良い値段設定が憎いところです。
こちらは参考に掲載した商品なので、ご購入は自己責任でお願いいたします(笑)
最後に忘れてはならないのは、大事な車いすの積み込みです。
ある程度歩行能力が残っている方はトランクに積み込むといった話を聞いたことがありますが、一般的な車いすユーザードライバーは助手席か後部座席に自分の車いすをしまい込みます。
しかし、これも腕力や握力がある方なら何の問題もなく出来る作業なのですが、腕力に自信がない女性や高齢の方や、頚椎損傷で腕力や握力に不安がある方や、簡易電動車いすのような重い車いすを利用されている方などは、自動車を運転する能力があっても、結局、介助者の手を借りないと単独のドライブも楽しめません。
そういった思いを解消するために登場したのが、「車いす格納システム」です。
まずは「ミクニ ライフ&オート」のオートボックスです。
この装置では先駆けの日本メーカーであるミクニです。改良に改良を重ね現在のようなモデルになりました。
出典:http://www.nissin-apd.co.jp/products/autobox
注意
●車種により取り付けできない場合があります。(車両選定前のご相談をお勧めします)
●オープンカー、2ドアクーペ、3ドア、軽ワンボックスカーは取り付け不可です。
●折り畳みできない車いすは収納できません。
●車いすの形によっては収納できない場合があります。車いすの形状変更、加工にご協力下さい。
●調整のため、取り付け時に、実際にご使用される車いすをお預かりします。
●オートボックスの本体高さは車いすの折り畳み幅により決定します。
●高速走行などで車種の形状により風切り音がする場合があります。
●オートボックスは、高さや重量があるため強風、横風、急カーブ、悪路走行等は危険です。スピードをおさえて安全運転をして下さい。
●高さ制限のある駐車場や高架下等に入る時は高さに注意して下さい。(普通車・小型車2.5m以下、軽自動車2m以下/当社規定)
●オートボックスは必ず最後まで収納してから車を走り出して下さい。接触して事故につながる恐れがあります。
オートボックス紹介動画
出典(リンク):株式会社 ミクニ ライフ&オート (旧:株式会社ニッシン自動車工業)
個人的な感想としては、唯一、デザインが…なんですが、メリットとしては雨の日にはちょうど良い雨除けにもなるし、何よりこれがあることによって障がいのある方の行動範囲と自由意識は確実に広がります。
次にご紹介するのは、最大大手メーカーのトヨタのウェルキャリーです。
出典:https://toyota.jp/aqua/welcab/friend
このウェルキャリーが装着できる車種は4種類なんだそうです。
※ウェルキャリー情報は2018年5月11日更新
世の中にもっとこのような商品がたくさん増えるといいですね。
2019年7月20日 追記
「TMN R11 Robot」車椅子用自動車 収納ロボットです。
「TMN R11 Robot」は、イスラエル発の世界でも有数なロボットメーカーによる製品で、単独で自動車を運転する方を主な対象とし、車椅子をその車のトランクに自動的に収納する装置です。
TMNによって開発製造されたR11ロボットは、ロボットアームによって車椅子を運転席のドアからトランクまで移動させます。
運転手からの操作パネルによって、トランクは自動的に開閉され、ロボットアームによるトランクへの積み下ろしを可能にします。
セダン車、ステーションワゴン、ミニバン、SUVに取り付けることが可能。
出典(リンク):TMN
日本国内での取扱店も徐々に増えているようですが、株式会社ヤナセで取り付け実績があるようなので、そちらでお車のご購入される方は取り付けていただけるのかもしれません。
参考サイトリンク:株式会社ヤナセ福岡支店/メルセデス・ベンツ福岡中央
・固定式タイプの手動運転装置の特徴は、個別の車専用サイズで、車の買い替えの際には、また違う手動運転装置の購入が必要となります。固定式タイプは値段も設置料金も高価ですが、障がいが重度でも自動車運転を諦めずに出来る点が魅力です。
・汎用式タイプの手動運転装置の特徴は、ブレーキロックやウインカー機能はありませんが、多種多様な車種に固定して設置することが出来るので、一度購入すれば、たとえ車を乗り換えても本体はそのまま流用することが出来ます。固定式タイプより機能を限定した分、安価に購入設置できるところが魅力です。
・簡易式タイプの手動運転装置の特徴は、ズバリ携帯性です。携帯性にも優れているので、旅行先へ出かけた際にレンタカーにも取り付けることが出来るのです。他のタイプと比べて抜群に携帯性に優れていることが最大の魅力です。
・オートボックスは腕力に自信がない女性や、高齢の方や、頚椎損傷の方や、簡易電動車いすのような重い車いすを利用されている方などにとって有効な車いす収納ツールです。
以上、車いすユーザーが自動車を運転する方法に関する情報発信でした。
私セイタロウも毎日の出勤で自動車を運転する車いすドライバーですが、車いすドライバーとして運転し始めた当初は健常者時代の運転と勝手が違うことになれずに、ずいぶんと怖い思いもしました。
一時期は車に乗る気持ちもなえてしまったこともありましたが、時間をかけて徐々に運転になれていき、やっと毎日のドライブも苦にならなくなった今日この頃です。
今では3更新連続のゴールド運転免許ドライバーですが、日々初心を忘れずに、私のような交通事故被害者を出さないように安全運転に心掛け、毎日運転を楽しんでいます。
普段、車いすではゆっくりとしかこげない自分でも、自動車に乗って颯爽と風を切って運転することはとても気持ちのいいものです。
障がいがあって運転をあきらめているような方がまわりにいらっしゃったら、是非こういった方法もあることを教えてあげてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。セイタロウ
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