障がい者生活のセイタロウです。このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。
私は、頸髄損傷C6四肢麻痺という比較的重度な身体障害がある手動車いすユーザーなのですが、旅行が趣味で、時には念入りにバリアフリーやユニバーサルデザインが整っているか調べ、また、時には何の下調べもせず行き当たりばったりで非バリアフリーや非ユニバーサルデザインをあえて楽しむ(最近はこちらのスタイルの方が多いかも…)スタイルで旅行に出かけています。
そんな私が、全国津々浦々…というのは大袈裟ですが、「車いすの旅」として様々な観光名所に行った際のバリアフリーやユニバーサルデザイン情報を発信して、このブログをご覧になったご本人や、友人や、ご家族や、ご親戚等の車いす利用者の方が少しでも安心して、「車いすの旅」を楽しむための情報として、お役にたてていただければ幸いでございます。
さて、今回は「【車いすの旅】沖縄県八重山群の竹富島に行こう!」について、情報発信させていただきます。
竹富島、そう聞いてピンとこない方も多いかもしれませんが、沖縄県に数ある離島の中で知名度は決して高くはないかもしれませんが、知ってる人は、知っている、はずです。
しかし、何がいいって、あえて言うならば「何もない」がこの島の最大の魅力かもしれません。
まあ、「何もない」は、かなり誤解を招く表現かもしれませんが、この島だけ時代に取り残されてしまったのではないかと思えるほど昔から変わらぬ(と思える)風景と、その中で飾ることなくありのままに暮らす人々のリアルな生活があり、その生活をしている方々からしてみれば都市部に比べて「何もない」当たり前の島なのです。
しかし、日々都会の喧騒にもまれ、息苦しさを感じながら人生を過ごしている人が訪れると、何とも言えない懐かしさと、自分が忘れてしまっていたようなとても大切な感情を思い出させてくれるような想いに駆られ、島を散策するうちに徐々に心の垢がはがれていくような不思議な気持ちになってきます。
もちろんすべての方がこのような気持ちになるとも思えませんが、私は確実にそんな不思議な気持ちに包まれました。
真実を確かめたければ、是非、竹富島へ行かれてみてはいかがでしょうか?
※沖縄のバリアフリーに関する情報は下記リンクなどでもご確認できるようです。
沖縄は観光バリアフリーを宣言しており、バリアフリー旅行支援など障がい者か高齢者が沖縄観光する際に必要な、様々な情報を提供する専門窓口があるそうです。
リンク:沖縄県観光バリアフリーポータルサイト-バリアフリーOKINAWA
◆那覇空港1階階到着ロビー
住所:沖縄県那覇市鏡水150番地那覇空港国内線旅客ターミナル 1階到着ロビー( 総合案内所の隣 )
営業時間:10:00~18:00( 年中無休 )
連絡先:TEL:098-858-7760FAX:098-857-905
リンク:沖縄バリアフリーツアーセンター【那覇空港】
◆国際通り
住所:〒900-0014沖縄県那覇市松尾2-8-19 ドンキホーテ5F
営業時間:11:00~18:00(年中無休)
連絡先:TEL:098-860-8046 / FAX:098-860-8434
リンク:沖縄バリアフリーツアーセンター【国際通り】
いざ竹富島へ!
まずは、Google Map で疑似トリップしてみましょう!
住所は、〒907-1101 沖縄県八重山郡竹富町竹富。
行き方は、最寄り都市の飛行場から、「沖縄 那覇空港」経由で石垣島の「南ぬ島(パイヌシマ) 石垣空港」までは、飛行機で空の旅。
「南ぬ島(パイヌシマ) 石垣空港」から、離島観光の玄関口である「石垣港離島ターミナル」まで、アクセスはレンタカーやタクシーの他にも、運賃の安い路線バスもお勧めですが、車いすでも乗車できるワンステップバス(地上高約50cmスロープ設置乗降)だそうです。(※注意:低床ノンステップバスではないようです)
ちなみに、石垣港離島ターミナル内に石垣島の英雄“具志堅用高”さんのモニュメントがあります。お時間に余裕があったら写真などいかがでしょうか。
石垣島⇔竹富島 運賃
大人料金(税込) ※12歳以上 片道600円/往復1,150円
小人料金(税込) ※6歳~11歳 片道310円/往復590円
障がい者割引(税込) 片道 310円/往復620円
さあ、いよいよ乗船です。船名「ちゅらさん2」…ザ・沖縄って感じですね。船員さんもシブイ!
(※注意:すべてがこの船と同じタイプではありません)
ご覧のとおり、車いすでも楽に乗れるようになっています。(“出来ることは自分で出来やる”が我が家のモットーです!)
船内はバリアフリーで、車いす乗船スペースもあります。
(※注意:すべてがこの船と同じタイプではありません)
多目的トイレも完備されています。ユニバーサルデザインに配慮されていますね。
しかし移動中は結構揺れるので、単独でトイレを使うのは…大変難しいと思いました。
トイレは乗船の前後に、ターミナルで済ませるのがベストです。
所要時間10分~15分で到着。いよいよ竹富島上陸です。
意外と近いです。フェリーターミナルもすべてバリアフリー!
そして、ユニバーサルデザインにも配慮された作りになっています。
と、ここでふと疑問に思うことがありました。
それは、ここのフェリーターミナルから島内の集落へ行くまでに、通常は「水牛車」や、「レンタルサイクル」などの目的に応じて送迎車が出ているのですが、その送迎車がどう見ても車いすのまま乗れる自動車ではなく、ワンボックスカーやマイクロバスなのです。
たいして下調べもせず、無謀に行き当たりばったりで旅行する私たち家族に、険悪な雰囲気が漂いました…。
その時!
フェリーターミナル受付嬢天使が、声をかけてくれたのです!
「どちらまで行かれる予定ですか?」
「よろしかったら、車いすのまま乗れる送迎車をお呼びしましょうか?」
と、声をかけてくれたのです!
もちろん、満面の笑みで「はい!お願いします!」と即答しました!
そして、待つこと10数分。この車が登場したのです。
リフト付きワンボックスカーの福祉車両です。
運転手さんに聞くと、車いすの方は無料で島内のどこでも送って下さるようです。この車の運営は、島の観光協会がされているとのことでした。(※注意:2014年当時)
何と表現すればよいのでしょうか…初めて訪れる島なのに、何とも言えぬ“なつかしさ”がこみ上げてきます。
言葉ではうまく表現できませんが、「この島には人として忘れてはいけない何かを思い出させてくれるパワーがある島なんだ」と、理屈ではない直感で感じました。
私にとっては、この島はとてつもないパワースポットに感じました。
まあ、パワースポットも人それぞれなので、私の話は話半分ぐらいに見ていただいて結構だと思います。
ちなみに、島内の集落地はほとんどが未舗装の白い道(細かいサンゴ砂だそうです)で、車いすでも問題なく往来が出来ますよ。
こちらは「なごみの塔」です。国の有形文化財なんだそうです。昔は登れたんですけど、2016年から登頂禁止になってしまったそうですよ。
ちなみに竹富島の住民の方は、この塔のことを「竹富島のスカイツリー」と呼んでいました。微笑ましいです。
このブログの趣旨としては、本来なら車いすでも“行ける場所”を紹介するのが本筋なのですが、今となっては健常者とか障がい者とか関係なく登ることが出来ないという理由と、国の有形文化財で見るだけで誰もが同じく「へぇ~」という同じリアクションを取るしかないという理由で、まずは、「なごみの塔」をご紹介させていただきました。(感想のユニバーサルデザイン化です(笑))
↓下の写真は2014年に撮った写真です。今となっては貴重な写真ですね。
さて、いよいよ竹富島の最も人気な(個人的見解)観光資源である、「水牛車」のご紹介です…といっても、竹富島の集落に来れば必ずこういった光景が見られるはずです。
あぁ、なんと絵になる光景でしょう!(自画自賛)
私は初めてこの光景を目にしたときにはとても感動して、しばらくその場でとどまって、まるで憧れのスターでも見るかのように、ぼ~っと見入ってしまいました。
その後あわてて写真を撮るベストポジションまで先回りして、必死にカメラに収めたのがこの写真です。よく見ると手前に車いすで通ったわだちが刻まれているのがお分かりでしょうか?
水牛君もとてもおとなしく、とてもスローペース。だからこそ私がこぐ車いすスピードでも追い越せたんですけどね。
当初、私達家族は大した下調べもしないままこの竹富島に来たわけですが、この水牛車に乗ってみたいけど…車いすじゃあ乗れないだろうなーって勝手に思い込みながらこの光景を見ていたんです。
そうしたら、この水牛車を操っていたオッチャンが私を見て「車いすでも乗れますよ~」って声をかけてくれたのです。
えぇ?…。私は聞き間違えだと思いました。
だって、過ぎゆく水牛車は車高は高いし、後方の乗降口にはリフトらしきものは当然無いし。
だから、聞き間違えだと思ったんです。
でも、家族が「乗れるって言っているんだから乗りに行こうよ」って言い出したので、まあ、それもそうだなと思い、とりあえず行ってみることとなりました。
そして歩くこと数分、竹島観光センターさんへ到着。
ちなみに竹富島の水牛車は「竹島観光センター 」さんと、「新田観光 」さんがあるそうで、この旅行記では「竹島観光センター」の車いすのまま乗れる水牛車に乗りましたが、聞くところによると「新田観光」さんにも車いすのまま乗れる水牛車があるそうです。
料金:大人1,200円/小人600円を支払って、車いすのまま乗り込める水牛車を用意してくれるまでしばらく待つこと十数分。
どーん! きました!水牛車車いす乗車仕様。(お手製(急こう配)スロープ(笑))
一瞬、う~ん…なるほど。とも思いつつ、少しだけ不安がよぎるも、それでも車いすのまま乗り込めるように工夫されていることに感銘も受けました。竹富島のおもてなしの心に感謝です。
大人数人のお力を借りて水牛車に乗り込み、私たち家族だけの貸切で水牛観光スタートです!
今回私達を案内してくれた水牛君は「アーパー君」(後ろからスミマセン)とても内気でのんびり屋さんなんだそうです。
全行程30分程らしいのですが、アーパー君の気分次第と、う〇こ次第(お片付け)で、30分以上のびることもあるそうです。
ガイドさんが島内集落の各名所をユーモアを交えて紹介してくれます。
さらにその後は、ガイドさんの三線生演奏による沖縄民謡を熱唱してくれます。
そして水牛車観光も終わり、最後に丁寧に手厚く下車することが出来ました。ありがとうございます。
正味40分といったところでしょうか。
最後にアーパー君と記念撮影。アーパー君、シャイだけどハンサムです。
アーパー君とガイドさんのおかげで、とても素晴らしい竹富島観光をすることが出来ました!
(※注意:本記事の一部情報は2014年当時のものです)
ここでちょうどお昼時となり、昼食をためるお店を探すこととなりました。
島内には、住民が経営されているような味のある定食屋さんや、おしゃれなカフェなど何店舗もよさげなお店がありましたが、私達が入ったお店はこちら↓
バリアフリーで車いすで入れるトイレもある、お食事処「かにふ」さん。
八重山そばと天ぷらの盛り合わせをいただきました。
さあ、腹ごしらえ完了!
竹富島観光を再開いたします。
竹富島の観光名所はこの記事だけでは紹介しきれないくらいたくさんあるのですが、ここでは車いすでも行ける場所として紹介している記事なので、あくまでもそういった目線で紹介させていただきます。
そういったことも踏まえて、是非、車いす利用者の方に行っていただきたい場所が、この「西桟橋」です!
ここは島の西側にある、今は使われていない桟橋で、この先にある西表島(この日は雲がかかって西表島は見えませんが…)へ手漕ぎ船で行くことを目的に、50年以上も前に作られたコンクリート製の桟橋です。
ちなみに、ここも国の有形文化財だそうですが、ここは前に紹介した「なごみの塔」と違って、自由に行き来することが出来ます。もちろん車いすでもOK!
それにしてもこのコバルトブルーへ溶け込んでいくグレーの朽ちかけた桟橋が、絶妙な美のバランスを築き上げていて、ただひたすらに美しい光景です!
人工物と、時間と、自然とが絶妙なバランスで溶け込む唯一無二のアートです!(理解していただける方にだけ理解していただければそれで構いません(笑))
反対側はこんな感じです。竹富島のメインストリートから、ひたすらまっすぐ西へ進むと、突然、西桟橋が現れます。
完成されたアートの中に私が入り込むことなどありえないのですが、スターと一緒に記念撮影させてもらう気持ちで、記録と記憶に残させていただきました。
少々私の情熱が暑苦しい紹介となりましたが、竹富島、車いすに乗っていようといまいと、是非一度行かれることをお勧めいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。セイタロウ
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