障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。
私は、頸髄損傷C6四肢麻痺という比較的重度な身体障害がある手動車いすユーザー なので、やはり福祉機器や、福祉機器とカテゴライズしていなくても、障がいがある身体で使いやすそうな機器やグッツを見つけると、ついつい注目してしまいます。
というのも実はその昔、ユニバーサルデザインに関する商品開発やデザインをする仕事もしていたんです。詳しくはプロフィール をご覧いただければと思いますが、そういった理由から自分が考えることも好きなんですが、それを見て想像を膨らませるのも大好きで、とにかく障がいがあってもなくても生活を便利にする物は大好物!
参考
セイタロウのプロフィール障がい者生活管理人&著者セイタロウの自己紹介
だから、「福祉機器」、「バリアフリー」、「ユニバーサルデザイン」、「便利グッツ」、「アイディア商品」等といったキーワードを見つけると、ついつい目が行ってしまうのです。
そんな中、今回は「車いすユーザーでも使いやすいATM」に注目してこの記事を作成してみました。
というのも、そもそも車いすユーザーにとって、もっと言えば四肢麻痺がある頸髄損傷者私にとって、ATMを利用して現金を引き出す行為は、生活をするうえで不便を感じるワースト5に入るほど苦労しています。
それって私だけでしょうか?
上記の写真は、いつも私が利用している銀行のATMで、車いすに乗っている目線から撮影した写真ですが…この角度だと画面がほとんど見えない(汗)
さらに言えば、車いすに乗った状態では、紙幣や硬貨投入受け取り口に手が届かない(汗)
この問題は、銀行のATMだけにいえることではなくコンビニのATMにもいえることで、どこのATMも車いすユーザーからしてみれば使いづらいといって過言ではないように思います。
つまり、車いすユーザーにとって使いやすいATMは存在しない…と、いいたくなってしまうほどにATMの利用について不便に感じています。
そういったATMの利用づらさを銀行に投げかけたこともあるのですが、「窓口をご利用ください」との返答でかたずけられてしまいます。
しかし、それでは不便を強いてる障害者はATMを使うなといわれているようなものですが、そんなことでごねて、めんどくさい障害者…と思われるのもいい気持ちはしません。
それなので、ATMを利用するときはなるべく他のお客さんがいる時を狙って、場合によっては入出金の取り出しの時だけ手助けをお願いしたりしています。
他のお客さんにしてみればご迷惑な話なのですが…。
一般的には、ほとんどの方(ATMご利用者)は、他人のお金を触ることに対して躊躇されるとは思うのですが、不思議と今までこのスタイルで他のお客さんに「手が不自由で紙幣がつかめないので、お金を取ってくれませんか?」とお願いして、断られたことは一度もありませんし、勿論、持ち逃げされたこともありません(笑)
余談ですが、人にお願いする際のコツとして、「○○だから○○をお願いします」というように、お手伝いをお願いしたい理由を明確に伝えてから、「そういった理由だから手伝ってください」と伝えると、心理的に断りづらくなる効果があります。
専門的な解説はさておいて、「○○だから○○をお願いします」という依頼手法は結構日常でも使えるので、いざというときはおすすめですよ。
でも、この話を踏まえて考えてみると、車いすユーザーにとって使いやすいATMとは、利用されるお客さんが多いATMという事になりますね(笑)
昔々の私が障害者になりたての頃は、先輩障害者から「障害者は図々しいぐらいの根性を持っていないと生きていけないぞ!」とよく言われたものです。
とはいうものの、結局は健常者の方々の心のバリアフリーや、心のユニバーサルデザインにいつも助けら、支えられてて生きています。
さて、話は少しそれましたが、とにかく、車いすユーザーにとってATMは使いづらいのです。
これは、何とかならないものかと色々調べてみると、「ユニバーサルデザインATM」なるものを発見したので、ご紹介させていただきます。
下記は2018年3月29日に沖電気工業株式会社(OKI)から出されたプレスリリースの内容です。
沖電気工業株式会社 プレスリリースより:https://www.oki.com/jp/press/2018/03/z17099.html
こちらの沖電気工業株式会社(OKI)のモジュール型ATMを蒲郡(がまごおり)信用金庫に設置されたとのプレスリリースですが、これを見た瞬間に「あっ!これなら車いすユーザーが使いやすい!」と直感的に使い勝手の良さを感じました。
実際に現物を見たわけではないのですが、この沖電気工業株式会社さんのATMこそ、車いすユーザーが待ち望んでいた使いやすいATMだと思います。
上記プレスリリース記事内のイラストは、まさしく車いす利用者を想定して考え抜かれた設置配置になっていると思いますが、健常者が立位のまま使っても差し支えのないように見受けられます。
健常者でも高齢者でも障害者でも使えるATM、まさしくこういうことがユニバーサルデザインだと思います。
出典:中京テレビ
ただし、このATMが設置されている蒲郡信用金庫の太陽の家支店という建物は、コミュニティーセンターが入っている建物という福祉的要素の強い場所でもあり、そういった場所柄を考慮して車いすユーザーでも利用できるATMが設置されたように推察しますが、これを機に是非一般的な銀行ATMもこのような車いすユーザーでも利用しやすいATMの設置を進めていただきたいものです。
その他にもユニバーサルデザインを取り入れたATMがないものかと探してみると、日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社にて、ユニバーサルデザインを取り入れたATMの開発にご尽力されているといった内容のサイトを見つけました。
ユニバーサルデザインへの取り組み-ATM リンク:http://www.hitachi-omron-ts.co.jp/environment/ud/ud_atm.html
ちなみに、これら開発の取り組みによって「現金自動取引装置 AK-1」が発売されたとのことで、この機種は2005年のグッドデザイン賞を受賞されたそうです。
当時の開発の熱が伝わってくるような開発紹介サイトですね。
このユニバーサルデザインを取り入れたATMの開発があって、後に沖電気工業株式会社さんのような車いすユーザーにとって本当に使いやすいATMの進化へと繋がっていったのだと思うと、感慨深く思います。
ところでユニバーサルデザインの現実に目を向けてみると、私個人的な率直な意見としては、開発企業がパフォーマンスとしてユニバーサルデザインを取り入れているのか(日立さんがそうだといっている訳ではありません(汗)、それとも真摯に利用する車いすユーザーの利便性を考えて結果的にユニバーサルデザインといわれる製品ができたのか、同じユニバーサルデザインであっても前者と後者では全く違う、いや、むしろ同じユニバーサルデザインとして扱われてはいけないように感じます。
しかし、そもそもユニバーサルデザインやバリアフリーといったものに、社会をより善くしたいといった思いがあるからこそ、障害があってもなくても使いやすい物を創ろうとされている方々かいて、今、高齢者であっても障害であっても多様な方々が社会で暮らせている現実でもあるので、ご苦労されて生み出された物に対する異論は全くありません。
何がいいたいかというと、世の中は、三歩進んで二歩下がる…みたいな感じなのかな?という事がいいたかったのですが、ますます分かりづらくなったような…(笑)
その他にもATMに関する情報がないものかと探していると、アメリカのボストンにある銀行(Bank of America)のATMを紹介しているブログを見つけました。
さすがアメリカといわざるを得ないほどのデザインと、使い勝手と、障害がある人の人権への配慮です。
正直言って、日本の企業が逆立ちしても出てこないアイディアなんじゃないかと、ちょっと嫉妬してしまいそうなクオリティーのATMです。
是非下記ブログを訪れて確認してみてください。
リンク:Blog?http://liferevolution8.blogspot.com/2016/08/atm.html
やはり障害が有ろうが無かろうが、様々な多様性をがある人々が暮らしている世の中だという事が根底にあるアメリカの社会であり文化なので、日本と違うといってしまえばそれまでなのですが、それでもこういったことを情報発信することで、日本の社会や文化が少しずつでも、たとえ一人でも、こういった考え方が日本にも根付いたらいいなと思っていただけたら、それは意味のあることだと信じております。
さて、この度は【車いす利用者が困るATMと使いやすいATM】についてブログを更新してみましたが、やはり障害があっても世の中の様々な事柄を当たり前のようにできる社会であれば、例えある日突然障害者となってしまっても、将来、高齢によって体の動きが悪くなってしまったとしても、安心して暮らせると思いませんか?
日本は、バリアフリーやユニバーサルデザインについてまだまだといえる部分もありますが、沖電気工業や日立のように、優れた技術と熱意ある企業もあり、そういった企業が日々より良いものを追及しているので、きっといつの日かその分野でも世界から憧れられるような社会になると信じております。
今はAIもロボット技術も進化しているので、そのうちロボットがお手伝いしてくれるATMなんてところが出てくるかもしれませんね。
いずれにしても、さらに切磋琢磨して、より良い技術やデザインが世に生まれることを大いに期待しております。
こんな内容の情報照会でしたがいかがでしたでしょうか。
このような内容でも、どこかでどなたかのお役に立つ情報となって居たら幸いです。
今後、素晴らしい技術やデザインを見つけたら、また新たな情報を発信させていこうと考えております。
最後までご覧いただきありがとうございました。セイタロウ
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