【障がい者の収入】もらえるはずの障害年金を逃していませんか?

障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。

私は、頚椎損傷(受傷部位:C6)四肢麻痺という比較的重度な身体障害がある手動車いすユーザー です。

幸い頭は何とか無事だった?…ので、普段は障害のある方々の支援をする某障害者生活支援センターに勤務して相談支援業務を行っておりますが、そういった日々の業務経験を積み重ねるうちに、いつしか社会保障制度や社会福祉全般に詳しくなり、気が付けば社会福祉士という資格も取得することが出来ていたのです。

そんな私セイタロウが、そういった仕事を通じて、身体、知的、精神という障害がある方々の支援をさせていただくうちに、今まで気が付かなかったような様々な世の中の仕組みのようなものに注目するようになりました。


参考
セイタロウのプロフィール障がい者生活管理人&著者セイタロウの自己紹介

障がいがある方々の生活に役立つ情報などについて、ご興味がある方やない方にとっても、“へぇ~”と言っていただけるような内容を目指して情報発信していきたい所存でございます。

障がい者の収入 障害年金について

この度この【障がい者の収入】のコーナーで取り上げるのは、『もらえるはずの障害年金を逃していませんか?』について記載してみたいと思います。

多くの皆さんが聞いたことがあると思われる「障害年金」ですが、保険会社が商品として提供しているタイプと、社会保障制度として日本年金機構が運営しているタイプがありますが、今回取り上げるのは後者の日本年金機構が運営しているものです。

さて、障害年金、よく障害者年金とも言われたりしますが、正確には障害年金です。

その障害年金ですが、さらに細かく分類すると「障害基礎年金」と、「障害厚生年金」の2種類があり、国民年金や厚生年金加入者が事故や病気などによって働けなくなり、その状態が医師や歯科医師(多くの場合は医師に診断書を記入してもらうのが一般的です)の診断書に基づいて、その状態が日本年金機構で認定された場合に、晴れて障害年金が受給できる訳です。ザックリ書くと…。

実はこの障害年金は、本来ならもらえる状態にあるのに、申請していないがためにもらえていない方がかなり多くいらっしゃるって、ご存知でしたか?

私セイタロウは、障がいのある方を支援する障害者生活支援センターに勤める身ですが、二か月にお一人ぐらいは障害年金の受給に関するお手伝いをしており、その中には数年以上前から受給条件に該当していたのに、申請の仕方が解らず受給できていなかった方が少なからずいらっしゃいます。

今回の記事では、そういった方たちが少しでも少なくなるように、少しでもお役にたてるように情報をまとめてみようと思います。

それでは、まずは障害年金の詳細から記載してみます。

障害基礎年金(国民年金)

受給要件は以下の通り

・国民年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること

※20歳前や、60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間)で、日本国内に住んでいる間に初診日があるときも含みます。

・一定の障害の状態にあること
障害年金の対象となる病気やケガは、手足の障害などの外部障害のほか、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象になります。

病気やケガの主なものは次のとおり

◆外部障害:眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など

◆精神障害:統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など

◆内部障害:呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど

・保険料納付要件
初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること

(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

以上の要件を満たし、障害認定の基となる症状の初診日から1年6か月を経過して症状固定となり、障害基礎年金受給を受けることが可能となります。

ちなみに障害基礎年金の場合は、等級が1級または2級の2種類となり、より障害が重い場合は1級と認定されます。

※障害者手帳等の等級と障害年金の等級は必ずしも一致しません。

【1級】 779,300円×1.25+子の加算(年額)

【2級】 779,300円+子の加算(年額)

●第1子・第2子 各 224,300円(年額) / 第3子以降 各 74,800円(年額)

※2018年4月1日現在

※支給は偶数(2・4・6・8・10・12)月に上記の1/6の金額が1回の支給額として指定口座に振り込まれます。

20歳前傷病による障害基礎年金にかかる所得制限

20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、本人が保険料を納付していないという観点から、所得制限が設けられ、所得金額によって半額や全額支給停止してしまう場合があります。

詳細は以下をご参照ください。(2018年4月現在/日本年金機構HPより)

出典:https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html

障害厚生年金(厚生年金保険)

受給要件は以下の通り

・厚生年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること

・一定の障害の状態にあること
障害年金の対象となる病気やケガは、手足の障害などの外部障害のほか、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象になります。

病気やケガの主なものは次のとおり

◆外部障害:眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など

◆精神障害:統合失調症、うつ病、認知障害、高次脳機能障害など

◆内部障害:呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど

・保険料納付要件
初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること

(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

以上の要件を満たし、障害認定の基となる症状の初診日から1年6か月を経過して症状固定となり、障害基礎年金受給を受けることが可能となります。

ちなみに障害厚生年金の場合は、等級が1級、2級または3級の3種類となり、より障害が重い場合は1級と認定されます。

※障害者手帳等の等級と障害年金の等級は必ずしも一致しません。

【1級】 (報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,300円)〕(年額)

【2級】 (報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,300円)〕(年額)

【3級】 (報酬比例の年金額)最低保障額 584,500円(年額)

※2018年4月1日現在

※支給は偶数(2・4・6・8・10・12)月に上記の1/6の金額が1回の支給額として指定口座に振り込まれます。

※障害厚生年金には、20歳前に傷病を負った人に対する所得制限はありません。例えば、高卒後一般企業に就職し、19歳で交通事故に遭い後遺症障害が残って障害者手帳1級を取得した方が、その後、障害厚生年金を受けることとなったものの、20歳を超えてから社会復帰して年収400万以上の所得を得られたとしても、その所得金額によって障害厚生年金支給額が、半額や全額支給停止してしまうことはありません。

参考:日本年金機構

ここまでで社会保障制度としての障害年金の紹介でしたが、この情報量でも実はかなり抜粋した情報で、もっとこと細かく情報を乗せようとすると、正直言って細かすぎて結局なんだかわからなくなってしまう可能性がある…つまり、だからこそややこしいこの制度を申請するのが面倒くさい、そういった方々も出てきてしまうのだと思います。

まあ、「面倒くさい」でかたずけて生活していける方や、それ以外の理由で障害者年金を申請していない方々にも、それぞれそれなりの事情があるのですが、次の項では今まで私が相談支援の現場で扱ったことのある事例も踏まえて、ご紹介していこうと思います。

障害年金受給対象者なのに申請していなかった事例

さて、先ほども書きましたが、この項では今まで私が障害者支援の相談支援の現場で扱った事例をご紹介して、似た様なケースに思い当たる方の支援などのご参考にしていただけたら幸いです。

親が子供に障がいがあると認めたくないケース

この親がご自身のお子さんを何らかの障がいがあると認めたくないといったケースは、似たようなケースとして、まさか自分の子供に障がいがあるとは思っていなかった…といったーケースもありますが、社会生活はそれなりに過ごすことが出来ていたが、親や家庭の事情で高校に行けていなかったりして、そのまま社会に埋もれてしまい、親の保護の下、ひきこもったような状態で生活されていたり、または逆に大学まで出ているから、まさか障がいがあるなんて思ってもいなかったが、社会に出てからなぜか社会生活になじめず、努めても長続きしない…といったケースまで、様々なケースがありました。

こういったケースの場合、いくつかのパターンが当てはまる場合がります。

パターン①:親の収入が多く子供が社会人となって就労しなくても余裕で養っているから困り感がなかった

パターン②:親がお子さんに障がいがあるとの認識はあるものの意地になってその状態を容認しなかった

パターン③:親にも何らかの障がいがあるために子供に障がいがあると判断できなかった

パターン④:親が子供に関心が薄い等の事情で子供に障がいがあるといったことにも関心がなかった

パターン⑤:親子関係はそれなりに良好で大学にも進学卒業したが社会に出るまで何らかの障がいがあると気づかなかった

などなど…ありますが、もちろんこれ以外にも様々なケースがありましたが、概ねこのようなパターンに当てはまるようなケースが多いように感じています。

年齢層も様々ですが、このような方が地域で発見されると、まず医療機関などの受信をお勧めして何らかの障がいがあることを医療面から判断していただいた後、障害年金受給に向けた支援を行い、晴れて障害年金受給者となれれていきました。

またこのように、親が子供に障がいがあると認めたくないといったケースの大半は、知的障害(発達遅滞)や、発達障害や、精神障害(青年期になって発症など)の障がいによって、療育手帳(発達障害や知的障害などがあると認められて取得できる障害者手帳)や、精神保健福祉手帳(精神疾患や成人してから発達障害があると確認された場合などによって取得できる障害者手帳)が適用されます。

病気や事故などによる怪我が原因でも自分が障がい者であると認めたくないケース

次に紹介するケースは、病気や交通事故等によってご自身の身体機能が健常時と比べて著しく低下しているにもかかわらず、ご本人に病識がなかったり身体機能が低下したことを受け入れられないといった理由から、障害年金の申請にまで至らないケースのご紹介です。

また、こういったケースの場合、脳機能障害の低下によりご本人の身体機能は維持されているものの、他人との関係性を図ったり、自分が生活をして行く上で計画的に物事を考慮する能力が欠如してしまっている(いわゆる高次脳機能障害)状態にあると、障害年金を受給できる状態であることが理解できず申請に至らないケースもあります。

さらに障害年金を受給できるほどの障がい者となってしまった年齢が比較的若かったりすると、家族が献身的に保護や介護をすることによって、生活が金銭的に不自由することなく成立してしまっていると、障害年金を申請することなくそのまま生活されるケースもございました。

そういったことで、この項で紹介するようなケースも様々ございますが、ここでもいくつかのパターンに当てはめてみたいと思います。

パターン①:脳血管疾患による後遺症で身体障害者となった場合にご自身が障害年金受給対象であると理解できなかった

パターン②:脊髄損傷等により上下肢麻痺となってしまったご自身の障がい需要が出来ず障害年金を申請することが心情的に許せない(申請したら自分が障がい者になったと認めてしまう気がするから)

パターン③:心臓疾患などの内部障害となったが何とか働けるので障害年金受給対象であるとの意識がなかった

パターン④:家族が献身的に保護するあまり金銭的困窮はしていなかったから

パターン⑤:一度障害年金を申請したが受理されなかったのでその後状態が悪化しても再申請しなかった

(※パターン⑤の場合にかぎらず申請が通らなくても何回でもチャレンジする権利はあります)

上記以外にも様々なパターンが考えられますが、私がこれまで支援してきた中でイレギュラーはあるものの概ねこのようなパターンが当てはまるように感じています。

ここまで、知的障害に関するケースパターンと、身体障害に関するケースパターンを紹介しましたが、精神障害に関しては心療内科等に病院受診をされている方は、精神疾患として障害年金申請に至るケースが多いものの、病院受診に至ってない方については引き籠ったり、親の保護の下ひっそりと暮らされているケースが多いように感じます。

しかし障害年金申請となると、肝心の要が医師の診断書となるので、知的、精神、身体の障がいすべてに言えることは、医療機関とのつながりがない方は障害年金申請はできないので、該当するような方がいらっしゃったら、まずは病院を受診されるような支援を行う必要があると思います。

障害年金を申請するには?

さて、ここまでの内容によってどのような方が本来受給できるはずの障害年金を、逃してしまっているのかということをご理解いただけたかと思います。

次に、ではこのような方々がどのようにして障害年金を受給することが出来るのか?といったことになる訳ですが、ご本人やご家族に障害年金受給の意思がある場合には、地域にある障がい者相談支援センター等へご相談されれば、ある程度の支援を得られると思います。

もちろん、ご自身だけで年金事務所にご相談に行かれて申請するのも手ですが、実は社会保険労務士や、司法書士、弁護士事務所等でも障害年金申請から受給に至る支援を有料で依頼することもできます。

えっ、有料?と思うかもしれませんが、ご自身で行ったり、障がい者相談支援センターで無料で支援してもらって受給に至らなかった場合、社会保険労務士や、司法書士、弁護士事務所等で有料(成功報酬制がほとんどです)で行っている支援を利用したら、障害年金が受給できたということも有ります。

いろいろとされた後にうまくいかなかったら、有料の支援を受けるのも一つの手かもしれません。

ちなみに社会保険労務士や、司法書士、弁護士事務所等での有料支援はほとんどが成功報酬制で、相場は申請者が受け取る障害年金2ヵ月分(2ヵ月に1回振込まれる)で、要相談で分割支払いをすることもできるようです。

しかし、ご本人やご家族が障害年金の申請を拒否されている場合は、ご本人たちがその気になるまでそっと見守り、いざとなったら支援する体制を整えておく準備が必要でしょう。

タイミングはいつか必ず、突然に訪れるものです。


今後、この記事は少しずつ書き足していきそうな気がしますが、ひとまず今回はここまでとさせていただきます。このような内容がどなたかのお役にたっていたなら幸いでございます。

こんなブログでも最後までお読みいただきありがとうございます。

今後もこのような問題がありましたら、私なりの見解をブログに書き記してみようかと思います。

最後までお付き合いいただき感謝申し上げます。

セイタロウ

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