社会福祉 専門用語備忘録【せ】

障がい者生活のセイタロウです。
このブログのこの記事をご覧くださりありがとうございます。

私は普段、社会福祉士として障がい者の相談支援業務を担当している相談員なのですが、日々の会議や同業者との間で交わす専門用語について、何となく使っているものの実は詳細までの把握は、ぼんやりだったりするモノも多くあります。お恥ずかしい話なのですが…。

それなので、改めて自分自身への備忘録として社会福祉専門用語を整理してみようと思いました。

また、この【障がい者生活】をお読みいただくうえで、専門用語について詳しくお知りになりたい方々にとっても役立てていただければ幸いでございます。

このページでは、社会福祉専門用語【せ】から始まる専門用語について解説して参ります。

生活援助員(LSA)

【意味】

生活援助員とは、シルバーハウジングなどに居住している高齢者に対して、必要に応じて日常生活上の相談・指導、安否の確認、一時的な家事援助、緊急時対応等のサービスを提供する者。

生活援助員の住遣は、介護保険制度の地域支援事業に基づき、「地域支援事業実施要綱」に定める任意事業として市町村と特別区が行う。

リンク:一般財団法人 高齢者住宅財団 生活援助員(LSA)

生活支援ハウス

【意味】

生活支援ハウスとは、独立して生活するには不安があり、家族による援助を受ける事が困難な高齢者を受け入れる施設で、「高齢者生活福祉センター」とも呼ばれるもの。

医療ケアが必要な人は入居できない。

生活福祉空間づくり大綱1994 年6月に土木建設省によって策定された。

21 世紀の福祉インフラ整備のあり方についての理念、目標とする生活像、中⻑期的な施策の方向、整備目標等を総合的にまとめたもの。

生活福祉資金貸付制度

【意味】

生活福祉資金貸付制度とは、金融機関や公的貸付制度からの借入が困難な高齢者世帯(65 歳以上)、障害者世帯を対象とした介護資金の貸付制度。

実施主体は、社会福祉協議会。

この制度を利用すれば、生活福祉資金の貸付や、地域の⺠生委員による相談援助が受けられ、希望者は、市区町村の社会福祉協議会に申請し、⺠生委員による面接が行われる。

毎月の収入によって異なるが、当該世帯によって以下の通りの借り入れが許される。

①福祉資金として:福祉費(結婚、出産、葬祭、転宅費等)50 万円・障害者等福祉用具購入費80 万円

②住宅資金として:増改築・補修等の費用250万円

③療養・介護資金として:療養費170 万円・介護費(療養費・介護費・介護保険対象サービスの必要経費等)・170 万円(療養期間や介護サービス期間が1年以内の場合)

以上をそれぞれ上限として貸付が行われる。

貸付は、審査により返済の見込みがあると判断された場合に限り行われる。

リンク:厚生労働省 生活福祉資金貸付制度

生活扶助

【意味】

生活扶助とは、生活保護制度の生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助、左記の8つの扶助構成のうちの一つ。

生活扶助とは、八種の扶助のうちの一つで、生活保護制度の基本となる扶助である。

一般生活費である食料費、被服費、燃料費、水道料及び家具什器費などを内容とし、これを基準生活費と称している。

冬期(11月~3月)には暖房費に充てる冬期加算が追加される。

生活保護制度

【意味】

生活保護制度とは、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助、左記の8つの扶助によって構成されている。

生活に困窮している国民に、困窮の程度に応じた保護を行って最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助けるための制度。

生活保護の四つの原則

【意味】

生活保護の四つの原則とは、生活保護法を実際に実施する場合の原則において、4つの原則に則して実施されるように定められているものである。

①申請保護の原則:市町村は発見に努める義務があるが原則として本人が申請

②基準及び程度の原則:性別や年齢などの状況で、一定の基準を満たした者を保護

③必要即応の原則:性別や年齢などを考慮して必要な部分を援助

④世帯単位の原則:世帯を単位として評価して保護

以上が4つの原則である。

生業扶助

【意味】

生業扶助とは、生活保護制度の生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助、左記の8つの扶助構成のうちの一つ。

生業扶助とは、八種の扶助のうちの一つで、以下の4つの費用で構成される。

①小規模な事業を行うための資金を支給する生業費

②生業に就くための技能や資格の修得費用を支給する技能修得費

③高等学校などの就学に必要な費用を支給する高等学校等就学費

④就職が確定して働く際に身の回り品の購入費や交通費を支給する就職支度費

原則として現金で給付される。

生産年齢人口

【意味】

生産年齢人口とは、一般的に15 歳以上65 歳未満の人口をいう。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

【意味】

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律とは、精神障害者を対象とした医療及び、保護、自立と社会復帰、福祉の増進の為の法律のこと。

1995 (平成7)年に「精神保健法」が改正され、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」 に名称変更された。

1999(平成11)年に障害者の人権擁護、在宅福祉サービスの法定化等を骨子とする改正が行われた。

また、2005(平成17)年の「障害者自立支援法」の施行に伴い、精神病院等に対する指導監督体制の見直しや通院医療に関する事項の削除等が行われた。

精神保健福祉士(PSW)

【意味】

精神保健福祉士(英: Psychiatric Social Worker/PSW)とは、社会福祉士、介護福祉士と並ぶ福祉の国家資格のひとつ。

精神障害者の保健及び福祉分野に特化したスペシフィックソーシャルワーカーである。

国家試験は学歴によっては、一度の試験年度に社会福祉士と精神保健福祉士の双方を受験する事も可能。

精神保健福祉士の単一資格者は後に社会福祉士の資格を取得を目指す者も多く、社会福祉士の単一資格者も後に精神保健福祉士の資格をオプションとして取得を目指す者も多い。

精神科デイケア

【意味】

精神科デイケアとは、精神科領域におけるリハビリテーション的な治療で、健康保険の適用が認められたものを指す。

精神障害者に対して昼間の一定時間通院して通常の外来診療に併用して行う社会復帰のための集団療法とされている。

世界保健機関(WHO)

【意味】

世界保健機関 (World Health Organization: WHO) とは、1948 年4月7日設立の「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関。

人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関(国連機関)。

設立日である4 月7 日は、世界保健デーになっている。

WHOにおける健康の定義は、「完全な肉体的、精神的及び社会福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しない事ではない」(WHO 憲章前文より)とされていて、かなり広い目標を掲げており、病気の撲滅の為の研究、適正な医療・医薬品の普及だけでなく、ベーシック・ヒューマン・ニーズ(BHN)の達成や健康的なライフスタイルの推進にも力を入れている。

組織の肥大化と共に企業との癒着構造が問題として指摘されている。

精神障害者社会復帰施設(旧制度名称)

【意味】

精神障害者社会復帰施設(旧制度名称)とは、精神保健福祉法に基づいて配置された施設のことをいう。

目的として、精神に障害のある人の社会復帰の促進及び自立と社会経済活動への参加を図ることをとされる。

精神障害者生活訓練施設、精神障害者授産施設、精神障害者福祉ホーム、精神障害者福祉工場の4種類がある。

※2013年より障害者総合支援法による障害福祉サービスに移行される。

【補足】

障害者総合支援法とは、「障害者自立支援法」が一部改正され、2012年(平成24年)に公布され、2013年(平成25年4月/一部は平成26年4月)より「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」として「障害者総合支援法」が施行される。

精神障害者授産施設(旧制度名称)

【意味】

精神障害者社会復帰施設(旧制度名称)の一つで、相当程度の作業能力を有する精神障害者に、自活できるよう必要な訓練及び指導、社会復帰の促進をはかるための施設。

通所による施設と入所による施設とがある。

現在は、障害者総合支援法による障害福祉サービスの就労継続支援施設(A型やB型)や就労移行支援施設に移行されている。

※2013年より障害者総合支援法による障害福祉サービスに移行される。

【補足】

障害者総合支援法とは、「障害者自立支援法」が一部改正され、2012年(平成24年)に公布され、2013年(平成25年4月/一部は平成26年4月)より「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」として「障害者総合支援法」が施行される。

精神障害者生活訓練施設(旧制度名称)

【意味】

精神障害者生活訓練施設(旧制度名称)とは、精神障害者社会復帰施設の一つ。

精神障害のため家庭において日常生活を営むのに支障がある精神障害者に対して日常生活に適応することができるように、一定期間(原則として2年間)、低額な料金で居室その他の施設を利用させ、必要な訓練及び指導を行うことにより、精神障害者の社会復帰の促進をはかることを目標とした施設。

現在は、障害者総合支援法による障害福祉サービスの自立訓練(生活訓練)に移行されている。

※2013年より障害者総合支援法による障害福祉サービスに移行される。

【補足】

障害者総合支援法とは、「障害者自立支援法」が一部改正され、2012年(平成24年)に公布され、2013年(平成25年4月/一部は平成26年4月)より「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」として「障害者総合支援法」が施行される。

精神障害者福祉ホーム(旧制度名称)

【意味】

精神障害者福祉ホーム(旧制度名称)とは、精神障害者社会復帰施設の一つ。

日常生活を自分で出来る程度に回復した精神障害者で、住居の確保が困難な人が生活の場を得るとともに社会復帰と自立のために必要な指導などを受ける施設。

現在は、障害者総合支援法による障害福祉サービスの共同生活援助に移行されている。

※2013年より障害者総合支援法による障害福祉サービスに移行される。

【補足】

障害者総合支援法とは、「障害者自立支援法」が一部改正され、2012年(平成24年)に公布され、2013年(平成25年4月/一部は平成26年4月)より「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」として「障害者総合支援法」が施行される。

精神障害者保険福祉手帳

【意味】

精神障害者保険福祉手帳とは、精神疾患を持つ者で、精神障害のため⻑期にわたり日常生活または社会生活への制約がある者に対し都道府県知事または指定都市市⻑が交付するもの。

一定の精神障害の状態にあることの証明だが、知的障害者は含まれない。しかし、精神障害と知的障害の両方を併せ持つ者もいる。

手帳の交付で、各方面の協力を得て各種の支援策を講じやすくし、精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的としている。

精神保健福祉センター

【意味】

精神保健福祉センターとは、精神保健福祉法で定められた機関で、精神保健及び精神障害者の福祉に関する総合的技術センターとして、各都道府県に設置することが定められている。

精神保健福祉の向上を図り、保健所や市町村と連携して、地域精神保健福祉活動推進の中核となる機関。

アルコール相談や思春期における精神保健に関する相談・指導、心の健康づくり推進事業などの心のケアも行う。

セカンド・オピニオン

【意味】

セカンド・オピニオンとは、診断や治療方針について主治医以外の医師の意見を聞くこと。

患者にとって最善と考えられる治療を、患者と主治医で判断するために行われる。

セラピスト(therapist)

【意味】

セラピスト(英語:therapist)とは、「治療士」「療法士」のことで、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などを指す。

物理療法や心理療法をおこなう治療関係の専門職で、心理的な治療をするカウンセラーを意味することもある。

成年後見制度(せいねんこうけんせいど)

【意味】

成年後見制度とは、認知症高齢者や知的障害者、精神障害者等、判断能力の十分でない成年者が、不利益を被る事のないよう保護する制度。

本人に代わり不動産や預貯金等の財産を管理、介護サービスの利用や施設への人所に際しての手続きなど、本人が安心して生活出来るようにサポートを行う。

成年後見制度は大きく分けて、法定後見制度と、任意後見制度の2つがある。

また、法定後見制度は、「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれており、判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選べるようになっている。

脊髄小脳変性症

【意味】

脊髄小脳変性症(英:Spinocerebellar Degeneration (SCD))とは、主な症状に運動失調がある神経疾患の総称。

1976 年10 月1 日以降特定疾患に16 番目の疾患として認定された。

小脳及び脳幹から脊髄にかけての神経細胞が徐々に破壊、消失していく病気で、介護保険における特定疾病でもある。

脊髄損傷(せきずいそんしょう)

【意味】

脊髄損傷(英語:Spinal Cord Injury)とは、主として脊柱に強い外力が加えられることで脊椎を損壊し、脊髄に損傷をうける病態。

脊髄腫瘍やヘルニアなどの内的原因でも類似の障害が発生するとされている。

脊髄を含む中枢神経系は末梢神経と異なり、一度損傷すると修復・再生される事はなく現代医学でも、これを回復させる決定的治療法は未だ存在していない。

【補足】

脊椎と脊髄の違い:脊椎は背骨のことで、脊髄は脊椎の中を通る中枢神経を指す。

小分類として頸髄・頚椎、胸髄・胸椎、腰髄・腰椎、仙髄・仙椎、尾髄・尾椎があり、髄の付く頸髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾髄は脊髄の部位を表し、これらを傷めた人達を総称して脊髄損傷者と呼ぶ。

また、椎と呼ばれる頚椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎は脊椎(背骨)の部位を表し、これらを傷めた人達を総称して脊椎損傷者と呼ぶ。

☆脊髄損傷者とは・・・中枢神経を傷めた方、全てを指します。

脊椎推体圧迫骨折

【意味】

脊椎推体圧迫骨折とは、脊椎の椎体が、重力がかかる方向に加わる力で、骨折をおこしてつぶれる病気。

骨粗鬆症がある高齢者によくみられて、多くは胸椎から胸椎と腰椎の移行部にかけておこる。

摂食・嚥下障害

【意味】

摂食・嚥下障害とは、食物や水分を口から摂取し、嚥下されるまでの過程で生じる様々な障害をいう。

原因には、口腔内の障害、咽頭部の筋肉、唇・舌の筋力低下や麻痺などがある。

高齢者では、認知症や脳血管障害などの疾患で咀嚼力や飲み込む力などが低下して起こる事が多い。

摂食・嚥下障害では、食べる楽しみを失う他、誤嚥性肺炎や低栄養をきたす恐れもある。

1959年法

【意味】

1959年法とは、1959 (昭和34)年に障害者に一般市⺠と同等の生前と権利を保障した法律で、デンマークにおいて制定された。

当時の障害者福祉政策の行政官バンク・ミケルセンが起案した。

この法でバンクーミケルセンは「障害をもったままでも地域において障害のない人と同じ日常生活をおくる事が出来るように生活環境を整備する」というノーマライゼーションの理念を確立し、以後のノーマライゼーションの理念の普及に大きな影響を与えた。

全般換気

【意味】

全般換気とは、室内のどこにも偏らず換気を行い、汚染空気を希釈、拡散、排出させる換気方式。

全盲

【意味】

全盲とは、両眼とも失明の状態で、視力がまったくないこと。

前腕固定型杖 (ロフストランド・クラッチ)

【意味】

前腕固定型杖とは、杖の上部が握りの上まで迄伸びて、前腕カフがあり、腕を通して固定しながら使用する杖のこと。

握りと前腕の2点で支えるので、腕の力も使え握力が十分にない時でも有効である。

片手でも、前腕カフで杖をさげて、用事をする事もでき下半⾝麻痺者、下肢に体重をかけられない骨折、捻挫、股関節症、下肢切断、片麻痺の人などの歩行補助に向いている。

前腕支持型杖(プラットホームクラッチ)

【意味】

前腕支持型杖とは、リウマチなどの関節炎患者、手指・手関節に強い負荷をかけられない方、肘関節に伸展制限のある方に最適な杖のこと。

杖上部の平らな部分に肘を置き、腕を固定した状態で前のグリップを握り使用される。

リウマチの方は、手首に過剰な負担をかけてはならない場合が多く、腕で体重を支持する事で手首の負担を軽減することが可能である。

前方アプローチ

【意味】

前方アプローチとは、⾞イス使用者などが、⾞イスから便器に移乗する時の移動パターンの一つ。

移乗には、便器の正面に向かい合わせるように⾞イスをつける。

 

セイタロウ

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